私たちが健康を意識して食生活をコントロールしているつもりでも、知らず知らずのうちに飽和脂肪や砂糖を過剰に摂取している可能性があります。
オハイオ州立大学から発表された最新の研究によると、意外な食品がこうした栄養素の「隠れた供給源」となり、健康リスクを高めていることがわかりました。
この研究は、米国の成人を対象に行われ、チーズ、卵、ピザ、鶏肉、ブリトー、さらには蜂蜜や紅茶といった食品が、飽和脂肪や砂糖摂取の主要な要因であると指摘しています。
以下の記事と研究を参考にまとめていきます。
参考記事)
・Study: These 'Stealthy' Sources of Saturated Fat, Added Sugar Might Be Derailing Your Diet(2024/11/15)
参考研究)
・Identifying the Leading Sources of Saturated Fat and Added Sugar in U.S. Adults(2024/07/30)
飽和脂肪や砂糖の摂取過多は、心疾患、2型糖尿病、高血圧、肥満、そしてこれらに関連するがんなどのリスクを大きく高めるとされています。
米国心臓協会(AHA)では、飽和脂肪の摂取量を1日の総カロリー摂取量の6%以下に、また砂糖の摂取量を男性では36グラム、女性では25グラム以下に抑えることを推奨しています。
しかし、2020–2025年のアメリカの食事ガイドラインによると、大多数のアメリカ人はこれを守れておらず、結果として多くの健康問題が発生しています。
研究の共同著者であるクリストファー・テイラー博士は、「多くのアメリカ人が飽和脂肪や砂糖の摂取を抑える努力をしている。しかし、普段『健康的』と認識している食品や、思いもよらない食品が、それらの主要な摂取源となっている場合がある」と述べています。
この研究では、2005年から2018年にわたる「全国健康栄養調査(NHANES)」のデータが分析されました。
36,378人の成人(19歳以上)が対象となり、研究参加者の食事内容が調査されました。
その結果、以下のような意外な食品が飽和脂肪や砂糖摂取の主要な供給源であることが明らかになりました。
【飽和脂肪】
チーズ、ピザ、アイスクリーム、卵、ブリトーやタコス、鶏肉が主な供給源となり、これらで飽和脂肪摂取全体の25%を占めています。
さらに、バター、ハンバーガー、ケーキ、ナッツや種子類も比較的高い割合を占めました。
【砂糖】
砂糖については、清涼飲料水(ソフトドリンク)が最大の供給源であり、紅茶、果物飲料、ケーキやパイ、蜂蜜も多く含まれています。
その他のデザート類、エネルギードリンク、シリアルもリストに挙げられています。
【年齢や民族による違い】
また、飽和脂肪や砂糖の供給源は、年齢や民族によって異なる傾向が見られました。
• 年齢別
70歳以上の人々では、アイスクリームが砂糖と飽和脂肪の主な供給源となっています。
• 民族別
ヒスパニック系アメリカ人
→ブリトーやタコスから飽和脂肪を摂取する割合が高く、砂糖の供給源としてソフトドリンクが挙げられます。
アフリカ系アメリカ人
→鶏肉からの飽和脂肪摂取が多い傾向があります。
アジア系アメリカ人
→ナッツや種子類からの飽和脂肪摂取割合が高いことが特徴です。
白人
→チーズが飽和脂肪の最大の供給源となっています。
こうした研究結果から、多くの人が「健康的」と思い込んでいる食品でも、実際には飽和脂肪や砂糖を多く含んでいる場合があることがわかります。
例えば、脂肪が少ないとされる鶏むね肉であっても飽和脂肪は含まれています。
また、ケチャップやシリアルバーなど、一見健康的な食品が砂糖の隠れた供給源となっているケースもあります。
研究者のワン・ナ・チュン氏は、「多くの食品で、風味や食感を良くするために砂糖や脂肪が少量加えられている。これが『隠れた』飽和脂肪と砂糖の問題である」と指摘しています。
特にパンやその他の加工食品では、少量の砂糖や脂肪が使われているものの、消費量が多いことで結果的に摂取量が増える傾向にあります。
研究者たちは、飽和脂肪や砂糖を完全に排除するのではなく、“意識的に摂取量を管理する”ことが重要だとしています。
たとえば、鶏肉や卵は栄養価が高いため、適量であれば健康的な食品とみなされます。
しかし、摂取量が過剰にならないよう、以下のようなポイントに注意することが推奨されています。
1. 食品ラベルを読む
加工食品や飲料のラベルを確認し、砂糖や脂肪の含有量をチェックする習慣をつける。
2. 全粒食品を選ぶ
加工された食品を避け、野菜、全粒穀物などの全体的な栄養価が高い食品を摂取することを心がける。
3. 飲料の選択に注意する
ソフトドリンクや果物飲料など、砂糖が多く含まれる飲み物の摂取を制限し、水や無糖の飲み物を選ぶ。
4. 調理方法を工夫する
揚げ物を控え、煮物や蒸し料理など、脂肪分を減らす調理方法を取り入れる
5. 食事のバランスを保つ
食事全体のバランスを見直し、多様な食品を取り入れることで、栄養価を確保しつつ飽和脂肪や砂糖の過剰摂取を防ぐ
・飽和脂肪や砂糖の摂取源は意外な食品に隠れている場合が多い
・完全に排除するのではなく、適量を意識して摂取することが重要
・ラベル確認や調理法の工夫で、健康的な食生活を実現可能
トマトケチャップやパスタソースなど、意外なものに多くの砂糖が加えられていたりと、研究も指摘されているように意識しないと摂取してしまう成分も多いです。
不要な脂質や砂糖を普段から摂取している状態の人だったら、1ヶ月も摂取をやめらたら効果が分かると思います。
便の調子から肌のツヤの改善、できものの減少やストレスの低下など目に見えて感じる良い効果がたくさん現れます。
そうなると、もっと色々やめてみようと食生活も改善されていくことでしょう。
それでも改善されない場合は、小麦、大麦、ライ麦、オート麦、トウモロコシなどプロラミン(グルテンやホルデインなど)をやめてみると良いでしょう。
とにかく身体の調子が良くて驚くはずです。