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ブロックチェーンでCO2削減量が売れる!環境省実証

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  • MALIS
  • 2018/08/09 22:06

皆さまこんにちは。

日本、ヨーロッパは異常気象で大変そうですが、お元気でしょうか?

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ニューヨークも、テラス席さすがに人気ないですね。暑すぎて。


さて、そんな気候変動を肌で感じるこの夏に、

ブロックチェーン×エネルギー夏期講習 ー電気を売る、使う編 ー

をお届けしましょう!


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今週は環境省実証事業をご紹介します。


1. ブロックチェーン実証、始まる

さて、まず取り上げるのは環境省の「ブロックチェーン技術を活用した再エネCO2削減価値創出モデル事業」です。名前長いですね。

4月に、デジタルグリッド社と電力シェアリング社が採択された事業ですが、昨日IT Mediaにニュースが流れていました。

今回のニュースは途中経過報告のようですね。公式からは特に発表はない様子。

さて、これがどんな実証かというと

"自家消費される再エネのCO2削減にかかる環境価値を創出し、当該価値を低コストかつ自由に取引できるシステムをブロックチェーン技術を用いて構築し、実証"

というもの(環境省資料より引用)。

簡単に話すと、、、

最近、屋根に太陽光パネルをつけているお家多いですよね?

太陽光パネルで発電した電気を自宅で使った場合、石炭やガスで発電された電気を買う場合に比べたら、CO2排出量を削減できていますよね?

その削減できた分を"環境価値"として値段をつけ、取引しよう!というもの。


ここで2つ質問です。

・これまで発電したのはどこに売ってたの?

・なんでCO2の削減量は売れるの?

見ていきましょう!


2. 非FITの世界へ

今の日本では、おうちの屋根についてる太陽光発電は

"FIT(固定価格買取制度)"

という制度をつかって、電力会社に定価で買い取ってもらっているんですね。
〇〇キロワットアワー発電したらいくら貰えるよ、という感じです。

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最近多いですよね、ソーラーパネル付き住宅

ただ、FITはずっと続く制度ではありません

というのも、数年前は太陽光や風力発電のコストって高くて、かつ発電してもなかなか買い取ってもらえなかったんですね。FIT制度は、そんな市場黎明期に再生可能エネルギー導入をすすめるための"起爆剤"だったわけです。

最近はコストも落ちてきたので、それに伴いFITの買取価格は下がっているし、今後はなくなっていきます。


もっと言うと、FITは続けられません

FITって、みんなの電力料金に上乗せして徴収したお金で、再生可能エネルギー発電している人たちにインセンティブ支払っているんです。

電気ご使用量のお知らせ、手元にある人は見てみてください。

「再エネ発電賦課金」

ってないですか?これがFITの元手です。


というわけで近い将来、「自宅で発電した分を使って、電気を外から買わないようにしよう!」と思う人が増えてくる、いや増やさないといけなくなります。

今回の実証は、こういった自給自足を目指す方にもインセンティブを与えるものなのだと私は理解しています。


3. なぜCO2削減量は売れるか

さて、次の疑問。

インセンティブが必要なのはわかったけど、なんでCO2削減量を買い取りたい人いるの?

そうですね、一体だれが買い取る想定なのでしょうか?


環境省からでている全体図はこんな感じです↓

(1)左下がソーラーパネル(PV)で発電しているおうちです。センサーやら色々なものでどれだけ自己消費したかを計測します。

(2)そのデータが上の方のブロックチェーン技術をつかった取引プラットフォームに入り、スマートコントラクトで取引成立。

(3)誰が買うかというと、右下の環境に気を使っている企業等がこの"環境価値"を買いとります。


ではなぜ企業は買い取りたいのでしょうか?


理由は、

自分が削減できない分を埋め合わせたいから。

環境意識の高まりを受け、企業ではCO2排出量の削減目標を掲げているところが多くなっています。また、環境に配慮すると、様々な優遇や認証を受けることができるようになっています。

とはいえ、事業を継続しながらいきなりCO2排出量を削減するのは難しい企業もでてきますよね?

そこで、市場から"環境価値"を買い取って、自分の実績として報告可能にしているのです。


そんなのズルい?

いえ、実はこれよく使われている手法なんです。



さて、今日はここまで!

次回は、この実証のいいところ、難しそうなところ、もう少し詳しく見ていきましょう。


質問がある方はコメントかTwitterまで。

いいねお待ちしておりまーす!


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公開日:2018/08/09
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エネルギー政策専門のコンサルタントです。ニューヨークにいることが多いのでこちらの情報発信が多めになる予定。Twitter: @mari_saita

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