みなさん、Facebookがようやく仮想通貨広告禁止を見直しだしましたね。Paypalのニュースとも相まってアメリカテック企業の動きが加速しそうです。
が、今日はテック企業はおいといて、この記事についてみていきましょう!
“Goodbye, Denver Post. Hello, Blockchain."
"さらばデンバーポスト、よろしくねブロックチェーン"
って感じでしょうか(笑)
デンバーポストとは、その名の通りアメリカのコロラド州にあるデンバーという都市を拠点としたローカル紙。記事によると、多くの従業員がデンバーポストを辞職し、 "The Colorado Sun"(コロラド・サン)という新しいメディアを立ち上げようとしているとのこと。そしてその仕組みにブロックチェーンを導入しようとしている!
今回は、一体デンバーポストで何があったのか、なぜ彼らはブロックチェーンを選んだのか、見てみましょう!
今回の騒動は、2013年に親会社が倒産しニューヨークのヘッジファンド"Alden Global Capital"がオーナーになったことから始まります。ここまで言っただけでハゲタカとか想像しちゃったあなた、ノリはあってます(笑)。
従業員によると、このヘッジファンドはコスト削減を目的にジャーナリストの解雇を繰り返し、さらに解雇を批判する記事の削除を要求したとのこと。そして極めつけは、超利益でている決算書の公表。がっつり利益を上げているのに従業員を解雇し続けるオーナーに怒った従業員はデモを実施、当然のことながらファンド側は無視。改善されない状況に絶望したジャーナリストたちは次々と辞職を決意することになるのでした。。。そんな彼らが次のプラットフォームとして立ち上げようとしているのが"コロラド・サン"なんですね。
もうこの時点でドラマ風。
が、一番のポイントはこのコロラド・サンが利用するプラットフォームが、Civil Media Companyが提供するイーサリアムベースの"Civil"である点なんです。
Civil Media Companyとは、ニューヨークのスタートアップ。バックにはブロックチェーンソフト会社のConsensysがついています。
オーナー、政府、広告主等の第三者に介入される既存メディアの在り方を変え、非中央集権型のジャーナリズムを作る!という使命を掲げ現在ICOを準備中。このICOはコロラド・サンのようなメディア企業への資金提供の一環として行われるとのこと。
CivilのICOに興味のある方はこちらをどうぞ。
このCivilのホワイトペーパー上で興味深い点はトークン購入者はCivilプラットフォーム上のメディアがジャーナリズム基準に違反しているかどうかについて投票可能であるということ。
ちなみにこの投票の仕組みについてはThe Civil Constitution(市民憲法)として詳しく記されています。読むとわかりますが本当に憲法のようで政府・企業に介入されない新しいエコシステムを作る!という意気込みが伝わってきます。
実は、ブロックチェーン登場前からアメリカのローカルニュースの世界には市民ジャーナリズムといわれる新しい形態が現れ変革が進んでいました。これは、プロではない一般市民からの発信を記事として扱うことを意味し、発信者は市民記者と呼ばれます。
例えば、CNNではCNN iReportと呼ばれる仕組みがあり、市民が写真や記事を投稿し、編集者がチェックし質のよいものは記事に利用されるという仕組みがあります。
日本だとTwitterの写真を使ったとテレビ局から事後報告が来てトラブルになったりしていますが、それをちゃんと仕組みにしたものです。
さらに日本との違いでいうと、アメリカのジャーナリストは基本的にジャーナリズムを専門として学んだ方がなる職業なので(日本だと会社員)、専門でない市民記者とどう協力し質を担保していくのかがずっと問題になっていました。
今回の記事では直接的には触れていませんが、Civilはこれ流れをくみ取り、既存のジャーナリストと市民記者、そして読み手をうまくつなげる仕組みを提供するものになるのかもしれません。
以上、いかがでしたか?
3つ目の意見は完全なるMALIS私見なので要注意。ただ、興味深い動きであることは間違いないですし、ICO前から提携先が決まっているのは強いですね!
ニューヨークの強欲ヘッジファンドの餌食になった従業員が、ブロックチェーンの力で反旗を翻す、というのも今っぽくて面白いですよね。
↑デンバーポストを辞めてコロラド・サンを立ち上げた編集者。気合入ってる。
今後も彼らの動向には注目したいと思います!
MALIS
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