皆さんこんにちは。
実は最近、ついつい再エネのことばかり書いていて紹介したい話題を先送りの塩漬けにしてしまっていました。
そんな塩漬けトピックの一つとして、Coinbase Reportsが発表した"世界トップ50大学における仮想通貨、ブロックチェーンへの取組み" 調査結果があります。
今日は調査結果のポイント、そして日本の状況についてお伝えします。
まず注目すべきはこの数字でしょう。
世界トップ50大学のうち、実に42%がすでに仮想通貨またはブロックチェーン関連講座を開設しています。
下の絵は、講座開設済みの大学とその講座数を示したもの。
〇が大きいのが関連講座を多く持っている大学。スタンフォード大学、コーネル大学では、すでに8つ以上の講座が開設されています。(Naottaさーん!)
それにしても目立つのは、アメリカの大学の積極性。いい悪いはともかく、資本主義が強いアメリカでは産業界の動向に授業カリキュラムを合わせていくスピードが非常に速いと感じます。
もう一つ面白いデータは、学生側へのアンケート結果。
上から、
(1)クリプト関連の講座を受講経験はあるか?
(2)仮想通貨を持っているか?
(3)クリプト関連講座を今後受講したいか?
5-6人に1人の学生が仮想通貨を持っていて、4人に1人以上が講座受講を希望している。非常に高い関心がうかがえます。
仮想通貨の未来は明るい!
では、日本の大学はどうなのでしょうか?
以前、MEKAMEKAさんが会津大学の取り組みについて紹介されていました。
これ以外で調べてみると、いくつかヒットしました!
まず、慶応大学SFCにあるSBIの寄附講座「ビヨンド・ブロックチェーン」
(個人的にビヨンドって名前がツボですが割愛)
東京大学と慶応大学がブロックチェーン技術について国際産学連携のBASEアライアンスを締結。
筑波大学大学院の計算知能・マルチメディア研究室もブロックチェーンに着目と明記しています。ここはプロジェクトベースっぽくて面白そう。
全国の統計データがないのでなんとも言えませんが、日本の大学でもブロックチェーン関連の講座が今後どんどん増えてきそうですよね?
ここで一つ問題になりそうなのが、教育する側の人材確保。
そもそも日本は暗号学関連の人材確保に苦労しており、人材育成が叫ばれているところ。サイバーセキュリティ分野でも、残念ながら世界で日本の名を耳にすることはほとんどありません。
第一の理由は、IT産業がうまく育っていないことでしょう。
企業のIT化も遅れています。つまり、そもそもブロックチェーン関連産業に取り込める人材の層が厚くないのではないか?
もう一つの理由は、軍および諜報機関の存在有無でしょう。
例えば、軍でサイバー攻撃を実際にしていた人がクラスメイトとして隣に座る環境が日本にあるでしょうか?諜報機関で働いていた方が経験をふまえて講義をしてくれることがあるでしょうか?彼らは気合も経験値も段違いです。
日本では、議論が周回遅れどころか改憲有無まで問われる状況。というのも、サイバー空間においても先制攻撃は憲法違反の恐れがあるとして、改憲議論の対象になっていたりするのです。もちろん、サイバーセキュリティだけが対象分野ではないですが、この重要な分野で予算と経験がすっぽり抜けていることだけは確かです。
と、ちょっぴり悲観的なお話もしました。
しかし、この状況はあなたにとってはチャンスなはず。まだ若いこの分野で頑張っておけば、相対的に高く評価される可能性があると思いませんか?将来はもしかしたらALISITAの中からも、大学でブロックチェーンについて講座を開く方が輩出されるかもしれません。
その時は、受講料ALIS払いで何卒よろしくお願いいたします。
MALIS
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