現在アメリカの報道は中間選挙でもちきり。
主役は民主党vs共和党ですが、その裏でブロックチェーンをつかったインターネット選挙の準備も進められています。
以前も紹介したウェストヴァージニアの取り組み。
どういう進展があったか見てみましょう!
ところで中間選挙ってご存知ですか?
これは上院、下院および州知事の選出を決める選挙で、大統領選のちょうど中間に行うことからこの名前が付けられています。2016年にトランプが大統領になり任期が4年ですので、今年が中間選挙になります。
↑赤が共和党優勢、青が民主党優勢。
結婚制度、中絶是非、LGBT、移民、、、日本はそこまで党同士で政策に差がなかったりしますがアメリカはくっきり色が出るので、選挙結果が生活を直撃してしまいます。
今回は特に、トランプ政権に反対するものの声をひろう大切な選挙であり、民主党は気合が入っています(トランプは共和党)。
さて、先日お伝えしていたウェストヴァージニア州の「選挙へのブロックチェーン技術適用」ですが、この中間選挙でも採用するとのこと。
使うのは、主に海外の基地にいる軍人たち。
「アフガニスタンでは手紙で投票は難しいよ」という言葉もあるように、そもそも郵便物が届かなかったりする紛争地域にいては、紙ベースでの投票は難しいですよね。
それを携帯に入れたアプリVoatzで可能にするのが今回の取り組みです。
しかし、この動きに猛反発しているのがサイバーセキュリティ専門家たち。
例えばアメリカのインターネット投票について研究しているMatt Blaze。
ブルッキングス研究所がブロックチェーン技術による投票を称賛したのを受け、猛烈な反対意見を出しています。Mattいわく、ブロックチェーンを選挙に利用することは、
(a)新たな脆弱性を追加することであり、
(b)他のやり方の法が簡単で単純で安全だ
とのこと。
私はインターネット投票推進派ですが、アメリカの専門家が警戒する心境はよくわかる気がします。
というのも、2016年の選挙で、
ロシアハッキング疑惑があったから。
そりゃ、若い技術の採用に慎重にもなります。
2015年にはアメリカの科学者たちが、「Future of Voting」というインターネット投票の安全性を評価したレポートを出しているのですが、結果はNo。
ブロックチェーンの実装にも触れてはいますが、現時点では実装を推奨しないという結論になっています。
今回ウェストヴァージニア州が使うシステムについても、
・端末がハッキングされる可能性
・データ反映のタイミング
の2点について疑問視しています。Voatzアプリ自体はブロックチェーンベースではないため、アプリ側でそもそも入力情報を改ざんされたら防ぎようがないだろ、ということでしょうか。
ジョージワシントン大学のPoorvi Vora教授も、投入されるデータがそもそも改竄される恐れは大いにあると指摘しています。
うーん、そうは言ってももう使うって決めているんですけどね。。。
中間選挙は11月6日。
どうなるか、要注目です。
というわけで、以前書いた記事のフォローアップをしてみました!これから暫く過去記事を見直していきたいと思います。
難点も多い選挙へのブロックチェーン技術応用。
中間選挙が終わったら、また結果を共有します!
MALIS
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