皆さまこんにちは、ALISは平日営業のみのMALISことマリ、ニューヨークはまだ月曜です。
— 仮想通貨は人を狂わせる。
昨年はたくさんの人が仮想通貨市場に参入、相場の上げ下げに一喜一憂し、億り人になった人もいれば笑えないほど「溶かしたwww」って人もいたんじゃないでしょうか?笑ってるけど。
今日もビットコインはドラマティックですねぇ。
しかし、仮想通貨が狂わせたのは相場に関わる人だけではありません。その影響は芸術家にまで及んでおり想像をはるかに超える展開となっておりました。今日は、仮想通貨の世界にとらわれた芸術家達の狂気の?世界をご紹介しましょう。
アートとブロックチェーン、と聞いてみなさん何を想像しますか?
トレーサビリティ、仮想通貨での取引、、、などが思い浮かぶんじゃないでしょうか?先日もアンディ・ウォーホルの絵が仮想通貨プラットフォームで売られていましたしね。
しかし今回紹介したいのは、アートの売買ではなくアートそのもの。デジタルアートに力を入れているRhizomeのアートディレクターによると、昨年から仮想通貨関連のアートプロジェクトが急増しているのだそう。
そう、仮想通貨の持つ非中央集権の思想や、ブロックチェーンの仕組みそのものに感化されて、仮想通貨をモチーフにまたは仕組みを使ったアートを生み出す芸術家が増えてきているのです。
言ってて自分でも意味わかんないけど、具体例を見ていきましょう。
今日ご紹介したいのは、ケヴィン・アボッシュさん。
創作中はいつも脳波取っているらしいです。(?)
彼は過去にじゃがいもの写真が100万ドルで売れて話題になったので知っている人もいるかも。億り人で騒いでいる場合じゃないねほんと。そんな彼が最近ぞっこんなのがブロックチェーン技術。ニューヨークタイムズの記事によると、
“...the focus shifts from the artistic value to monetary value of the work, and for most artists the art is an extension of the artist, so you yourself start to feel commodified,” Mr. Abosch said. “In order to sort of control that, I began to think of myself as a coin.”
意訳:"芸術の持つ芸術的価値よりも、金銭的価値が注目されてきている。多くの芸術家は、芸術を自分という存在の延長としてとらえているため、(金銭的価値に注目されると)自分がコモディティになったように感じてしまう。その感覚を少しでもコントロールしようと、私は自らをコインだと考え始めた。"
ふむ、、、自らをコインに、、、
記事によると、ケヴィンさんは"I AM A Coin"プロジェクトをスタート。1000トークンを作成し、そのアドレスを自らの血液で100枚の紙に打ち出したそうな。 "私の肉体はヴァーチャルな世界に繋がった"と大満足のケヴィンさん。
3回くらい読み直したけどどういうこと?誰か解説頼む。
ほんとに血で書いているっぽいですね。。。。
これだけではありません。
この仮想通貨アドレスがモチーフのアート。
題名は高級車であるランボルギーニからとって”イエロー・ランボ”
元スカイプの幹部が40万ドル(約4400万円)で買ったそうな。すごいよ、もう一回いうけど億り人って何よ状態。
ケヴィンさんはこんなことも言っています。
“You meet people in the crypto world who throw millions into coins backed by nothing, but don’t understand how a piece of art has any value,” he said. “Then you meet people in the art world who don’t understand why you would invest money in art that has no physical manifestation. That’s where it gets exciting for me.”
意訳:"仮想通貨の世界には何の裏付けもないコインに数百万ドルを出すのにアートの価値が全然わからない人がいるが、アートの世界には実体を伴わないアートに投資することを理解できない人もいる。この点に僕は興奮している。"
私、ここまできてやっと刺さりました。
ケヴィンさんの言葉そしてアートを通じて、仮想通貨であれ芸術であれ何であれ、金銭的・芸術的価値の本質は何なのか、否が応にも考えさせられてしまいます。これがアートの力なのか。。。
そんなわけで、ブロックチェーンに魅了される芸術家、と最初に書きましたが、彼らはブロックチェーンを解釈し既にその先へと進んでいるような気がします。ブロックチェーンの発展にコンセプチュアルなアプローチが必要であることを考えると、技術、経済面だけではなく、芸術からのアプローチにも目を向ける必要があるのかもしれません。
今月はニューヨークのホイットニー美術館でブロックチェーンを用いたプロジェクトが始まるらしいので、こちらもチェックしてお伝えしたいと思っています。
以上、ALIS秋の芸術祭(仮)の参考になったでしょうか?え、何それって?今思いつきましたALIS文化祭、誰かアドレスアートしますか?誰の血が使われるのでしょうか?え?えっ?
それではごきげんよう。
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