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高校数学教師(宮城県)を退職し、全国のデモクラティックスクール、北欧デンマークの教育を学んだ後、仙台から教育革命をしている伊藤真結です。2020年4月からAKIU SCHOLĒ(アキウスコレー)という新しい学校🏫を仙台市秋保町に創っています。
全日制の学校に行っていても、通信制高校に行っていても、不登校でも、全ての中高生が、自分の選択で自分の人生を切り拓く力を育みます。
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5月8日(月)
ゴールデンウィークが明けまして!
今日からまた通常通りです。
学校がしんどい生徒たちは、
正直今日がとっても苦しいかもしれないし、
家がしんとい生徒たちは、
今日が少しほっとする日かもしれません。
学校がしんどいのなら、
息苦しくなるほどの気持ちを抱えて行くべきではないです。
でも、色んな環境で生きる子どもたちが居るからこそ、
せめて学校のどこかに、誰かに、自分が今この瞬間本音で居られる場所があればと
感じた連休明けの月曜日でした。
さて、そんな今日ですが、
まだ続きます。冒険の書レビュー7日目!
今日は、「無用の用」と「他力本願」についてです。
「無用の用」を説いたのは、紀元前を生きた荘子先生です。
「人はみな有用の用を知るが、無用の用を知るものはない。」
という言葉。
私たちの生きる世界は、
とても合理的で、効率を求める世の中だなと感じます。
「そんなの何の意味がある?」
「何の役に立つ?」
という問いが、外からも、
そして自分の中からも飛んでくるような気がします。
自分の中からも、「こんなのやって何の役に立つ?」
という気持ちが湧いてきてしまうので、
それほどこの世界に浸ってしまった結果なんだろうと思います。
養老孟司先生もよくこのことを指摘されていますが、
「無駄」が極端に排除された都市では、
少子化が進むのは当たり前、
なぜなら子どもは自然であり、無駄なことばかりする。
それが「役に立つかどうか」でシステム化されてしまえば、
子どもたちは当然生きにくいはずです。
またこんな世界で生きにくいのは子どもだけではなく、
大人だってそうです。
本書の中で、
人間はいつでも「役に立たないもの」になってしまう可能性があります。
事故や病気でそうなってしまうこともあるでしょうし、
そうでなくても「老い」は全ての人に必ず訪れます。
自分がそうなってしまった時、
「役に立たないものには意味がない」という考えのままでいると、
自分に対して自ら「役に立たない」という烙印を押さざるをえません。
しかし、そんな誰ものびのびと生きられない世界で良いはずがありません。
(P.232)
という風に書かれてあります。
本当に、私もそう思うのです。
弱さは決して、迷惑ではないこと、
もっと言うと、迷惑をかけたりかけられたりすることが、
人と人とを繋ぐ大切な "のりしろ" であることを
感じられる世界が良いなと思います。
こうした考えから、もう1人、過去の偉大な人物が出てきます。
「他力本願」を説いた、
仏教僧の親鸞さんです。
冒険の書では、
偉大な先人たちが語りかけるように描かれています。
「他力本願」について語る親鸞さんお言葉が、
とても考えさせられるセリフでした。
「『善人』いうのは、『うちは善い行いをしてる』いうて、
『自力』で幸せになろうとしてはる人間のことやわな。
せやけど、なにをもって善いことしてるいうかは、
自分勝手やわなぁ。そういうのを独善的っちゅうんやないかなあ」
と言ったのち、
「『自力』をとことん出し尽くした時に初めて感じられる『他力』を、
君は感じることができるか?」
(P.235)
と問いを投げかけてきます。
このブログでよく書いている、
という言葉が浮かんできました。
この言葉は、脳性麻痺の障がいのある研究者、
熊谷晋一郎さんの言葉として有名ですが、
冒険の書でも、288ページで紹介されていました。
役に立たないこと、
何もないことや空っぽの価値、
そして、自分の力だけで生きていこうなんて、
到底無理だということを知ること、
「無用の用」と「他力本願」
学校ではどうしても、
「役に立つこと」や「人に迷惑をかけないこと」
を教えがちですが、
全く逆であること。
余白や無駄があって、人に頼れる、
そんな社会が良いです。
ちなみに私は
この二つの言葉を見ただけで、
「コジコジじゃないか…」と感じたのですが、
やはりさくらももこ先生は、
現代社会に対するメッセージを、
コジコジに込められたのだろうと強く思ったのでした。
ではでは
今日も読んで下さって
ありがとうございました_(._.)_✨