Cosmo Communicatorというハードウェアキーボードの付いたスマホが発売されているが、かつて存在したPDAのHP200LXやシグマリオン、Linuxザウルスなどを使っていた一部のマニアにしか人気がないように思える。立ち位置がかなり中途半端だ。
キングジムのポメラがヒットしたのはあえてネット機能を削除して入力に特化したからだし、電子辞書が売れ続けているのは辞書に特化したからだ。
PDAが中途半端に終わったのは、通信機能の欠如もあったが、何でもできるが故に、ユーザーがやりたいことをできるようにするまでの操作の敷居が高く、一部のマニアにしか受け入れられなかったからだった。iPhoneは当初、日本のキャリアにこき下ろされていたが、操作性がPDAよりも段違いに良く、爆発的に広がった。
iPhoneが一般に受け入れられ、PDAが凋落した決定的な違いがここにある。
井上真花さんは長年のPDAユーザーであり、PDAを始めとする電子ガジェットに関して大変に造詣が深い女性だが、リンク先の記事を読んでいると、失礼ながらこの系統の電子機器はまた同じ轍を踏んでいるようにしか思えない。自分はハードウェアキーボードの付いた電子機器が一般に普及するにはどうしたら良いのかについて考察したい。
■一般ユーザー
現在のスマホのユーザーは入力に関してフリック入力に適応してしまい、ハードキーの付いた端末には興味がないように思える。
■文章を作成するユーザー
外出先で文章の推敲を行うユーザーはポメラを使うか、モバイルパソコンやiPadに外付けキーボードを追加して使用していると思われる。
■ではどうしたら良いのか?
一般ユーザーに、バックに入れる荷物にさらに追加してもらうにはどうしたら良いのか? 結論として、スマホにリンクできる子機をコンセプトに、小型の電子辞書サイズで、限られた機能に特化したモノクロ液晶のクラムシェル型端末を安価に販売できないだろうか? 以下に条件を記載したい。
1)重量が軽いこと
対象ユーザー:電子辞書を持ち歩く学生や一部ユーザー
この人達をターゲットにした場合、電子辞書にテキスト機能を追加することでポメラ的な使い方ができる。(シャープの一部の電子辞書に機能があったが、やはりマニア向けの製品で終わった)
対象ユーザー:電子辞書を所有して持ち運ぶようなユーザー以外
メインのスマホは持っているし、モバイルはタブレットかパソコンとなるので競合相手としては分が悪い。スマホとタブレットを持って、さらにCosmo Communicatorも持ちたい一般ユーザーが居るだろうか?現在の一般ユーザーはデジカメすら持ち歩かなくなっている。よって、端末はスマホの子機のような扱いのできる極力軽量な端末となる。
2)価格が廉価であること
Cosmo Communicatorはやはり値段が高い。カラー液晶や入力しやすい大型のキーボードより、安価なモノクロ液晶の電子辞書のような起動の早く、壊れてもためらいなく交換できる端末が良い。
3)動作が軽いこと
こういった機器を使うのは、ふと思いついたことをメモしたり、スマホでは入力しづらい中~長文を入力する場合だ。動画や音楽、通信はスマホに分がある。思いついた時に入力する際にスマホのOSでは起動がやや遅い。電源もスマホのスタンバイ状態での保持では長時間バッテリーが持たない。初期のポメラのようにすぐに開けて電源ONで使える端末が好ましい。
■まとめ
にならないが、結論はHP100/200LXをやや小型にして薄型に現代風にアレンジした端末ということになるのだが、いかがだろうか?やはりこの系統の電子ガジェットは「ガジェット」で終わってしまい、「汎用機器」にならないのだろうか?
<この項、了>