最近、家にこもっている時間が多くて変化がない。
在宅勤務は、孤独だ。
でも、俺には天国だ。
他人に気を遣う時間が少なくて済む。
正直、給料が高くても人と接する位なら、給料が安くても良い位だ。
子供の頃は、家にいると親に「もやしになっちゃうよ」と言われた。
でも今は、もやし上等。
もう、もやしになりたい。
でも、もやしになるなら、高級もやしが良いな。
スーパーで売っている15円のもやしは、やだな。
昨日、10万円貰える「生活支援給付金」の受付に行ってきた。
俺が住んでいる荒川区は、受け付けは無く全部郵送になる。
しかも、郵送手続きの封筒は送られてこない。
自分で区役所まで取りに行かないとダメだった。
郵送手続きなら、手続書類を送ってくれよと思った。
しかも、郵送手続きのみなんてホームページにもかいてないし~。
俺は帰る時、受付をしてくれた区役所のお姉さんに苦労話を聞いてみた。
でも、特に何も教えてくれなかった。
ただ、相当遅くまで残業はしているとの事。
あと、死にそうになった事とかはあるかと聞いてみた。
そうしたら、顔を真っ赤にして「大丈夫です、無事です」と言っていた。
何が無事なんだか気になったが、そそくさと立ち去られてしまった。
郵便局員も忙しそうだから、それ以上聞くのは辞めた。
区役所から帰る道。
俺は、周りの景色や、人の顔を見渡しながら歩いた。
少し前まで、営業していた飲食店がいくつか閉店していた。
自粛規制の影響だろう。
開店しているお店は、みんな持ち帰りが出来るようになっていた。
人が歩いている人数は、相変わらず少ない。
小さな子供や、赤ちゃんまでマスクをしている。
きっと子供は、マスクが嫌だろうに可愛そうな気がする。
でも、コロナにかかるよりはましか。
中には、自転車の子供用座席に雨除けビニールを被せ完全防備の人もいた。
唯一救いだったのが、子供の元気の良さだった。
子供は、こんな時期でも凄く元気に走り回っていた。
そして、元気な声も出している。
このまま子供が元気でいれば、暗い雰囲気も無くなるかもしれない。
昔、俺の住んでいる下町には、たくさんの町工場があった。
でも、その町工場は、もう全く無くなってしまった。
みんな、とうの昔に倒産してしまった。
今ではもう、1件もない。
しかし、区役所から帰ってくる途中、1件だけあった。
そこは、3、4人で経営している小さなネジ工場。
その一角だけ、昭和の下町の面影が残っていた。
タイムスリップしたような工場だった。
こんな町工場なんて、コロナの影響以前の遥か昔に存在できないだろう。
しかし確かに経営している。
何をどうしたら、こんな町工場が生き残れたのか不思議だ。
俺みたいに、頭のネジが何本か外れている奴に需要があるのだろうか?
俺も今度、この工場のネジを買いに行くか。