現在
4Dプリンターと言うのを
開発しています。
4Dプリンターとは
外部から何かしらの力を加えると
形が変化する物です。
例えば
平たい物に熱を加えると
折り紙の様に折られて行き
花の形になったりします。
例えば
小さくまとまった物を触ると
だんだん大きくなり
元の形に膨らみます。
例えば
情報を組み込んだ遺伝子を
生体組織に加えると
だんだんその生体組織に変わります。
この様に
3Dプリンターで作った物に
時間変化と言う概念をプラスした物を
4Dプリンターと言います。
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4Dプリンターは
2013年から
マサチューセッツ工科大学で
研究がされてきました。
今回開発された物は
一般に市販されている3Dプリンターで
製作可能な安価な素材で出来る物です。
実際に
平べったい状態から
チューリップの花が出来上がる
映像が公開されました。
4Dプリンター技術は
2013年から存在していました。
でも
その頃の物は
まだ費用が高くて
実用化しませんでした。
それが今回
一般に市販されている3Dプリンターで
製作可能な素材が完成し
話題になっています。
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4Dプリント技術は
次世代のテクノロジーとして注目されています。
例えば
破損した骨に4Dプリンターで作った物を埋め込めば
時間経過で破損した部分と同じ形になり
代わりの骨として補強できます。
例えば
IKEAの家具を4Dプリンターで平らな状態に印刷し
霧吹きで水をかけると
自動で家具が完成します。
例えば
分子に完成形の情報を組み込み
それに触れると
自動車や家に自動で変化してくれます。
これは
宇宙技術でも凄く期待されています。
ロケットで宇宙に荷物を運ぶ時
出来るだけ省スペースで大きい物を運べるか
この事が大きな課題となっていました。
もしこの4Dプリンター技術が完成すれば
ロケットの小さなスペースに
家とか積み込めるかもしれません。
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特定の条件で形状が変化する物は
かなり昔から知られていました。
形状記憶現象が発見されたのは
1951年。
この頃は
まだなぜ元の形に戻るのか解らず
ただ熱を加えると変形し
常温だと元の形になると解ってただけでした。
そして1980年代から
金属に使用されるようになり
形状記憶合金として
広く知れ渡ります。
使用箇所は
バネやコイルやメガネのフレーム等が有名です。
この後研究が進み
形状記憶現象は
非金属のセラミックなど
高分子素材にも表れる事が解りました。
そして1990年代には
形状記憶樹脂と言う物が出来
開発と製品化が活発になります。
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高分子形状記憶は
よくゴムを用いられて説明されています。
ゴムに力を加えると伸びて
その力を無くすと縮ます。
でも
伸ばした状態のゴムを凍らせると
その状態を維持し
それを熱すると元の状態に戻ります。
この現象を引き起こす構造を
架橋構造と言います。
架橋構造とは
鎖状にくっついてる物がいくつもあり
それを橋の様な物で繋いでいる構造です。
この構造を上手く計算して作る事により
その物質に力を加えれば
指定された温度で変化し
指定された温度で形が固定します。
この変化は
鎖の数を調整したり
橋の数を調整したりさせ
自由に作り出す事が出来ます。
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この技術の最終形態は
遺伝子レベルで形状変化の情報を組み込み
生体物質を加えて人を作り出す事です。
今研究が進められているレベルは
人の臓器を4Dプリンターで作り出す事です。
遺伝子に臓器の情報を入力し
人の臓器と全く同じものを作り出して
体に移植できる医療技術です。
もしこれが実用化されれば
年を取って老化した細胞を
4Dプリンターで作った細胞と入れ替えて
不老不死になれるかもしれません。
今はまだ
遺伝子情報を変えて
マウスに人と同じ耳を作り出す程度の事しか
できていません。
でも
ここまで神の領域に手を出している事が驚きです。