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まるごと一冊女性たちの世紀。
"ナショナル ジオグラフィックの歴史が始まった瞬間、そこに女性の姿はなかった。それは1888年1月13日のことで、33人の男性が米国の首都ワシントンの社交クラブに集まり、ナショナル ジオグラフィック協会の設立を決めた。この出来事を記録した写真は1枚も残っていない。誰も撮らなかったのだ。地球上のあらゆる営みを目に見える形で記録し、高い評価を得てきたナショナル ジオグラフィックにとって、その誕生を記録した写真がないのは、なんとも皮肉なことに思える"(8頁)
"この特別号には、ナショナル ジオグラフィックが保管する女性の写真を数多く掲載している。そして、本誌としては初めて、写真家や筆者をはじめとする寄稿者のすべてが女性となった"(10頁)
"働きに出ていないといっても女性に休む暇などなく、夫や子ども、義父母の世話から冠婚葬祭の支度まで、すべてを切り盛りしなければならなかった。農村ではそうした家事に加え、野良着姿で赤ん坊を背負い、朝から晩まで農作業に明け暮れる女性たちが多いことにも、ノースは言及している。
「日本の女性は働き過ぎでは?」とある男性に尋ねると、彼は襟を正し、「それが日本の習慣なのです」と答えたという。80年余りたった今、ノースが覚えた違和感は、少しは薄らいでいるだろうか"(146頁)