マルチタスクな並列表記をやめて一地方の時代の変遷を重視、年号を省くなど歴史の〈流れ〉の理解に特化した作り。
むろん網羅的な理解において横軸=同時代の他国を無視するのは悪手なのだが、代わりに地図や図式を多く掲載してきちんとフォローアップしているのは好感が持てる。
古代史〜中世史に関してはさほどの新発見もなくふーんと読み流したものの、近現代特に第一次世界大戦前夜辺りから、元々興味の薄い分野だったせいか理解度が爆上がりした。
ガザ地区の現状を思うに、今なお禍根を残すパレスチナ問題の根深さは本書からも伝わってくる。