この手の本を読んだのは『中国春画論序説』以来か。
中国の長大な歴史が生み出した数多き性のあれやこれやを仔細に描き出すとなると、相当なボリュームになることは想像に難くなく、文庫版でも300頁超え。
参考文献も枚挙に暇がないが、やはり多く引用されているのが水滸伝のスピンオフでありながら、四大奇書として同列に扱われるに至った官能小説の金字塔『金瓶梅』。
文化史というだけあって近現代にまで筆は及ぶが、一際興味深かったのは世界から隔絶した独特の風習、纏足・宦官の項。
纏足のフェティシズムとか、全く理解が追いつかない……。