まずは15巻。
海土路愛人が「黒仏」に連なる者と知り、抗えない運命に絶望を感じるが如きメンタル状態の三神。
そんな三神の許を訪れた愛人の母、鈴花。
彼女は曾祖母・神農寺きょうと海土路源造の祖父・源太の出会いを語り、「愛人を救ってくれ」と言う。
その真意は未だ見えず、話は一ヶ月前に遡る。
愛人の許を訪れたのは、まくろ様を奉る烏頭亜矢禰なる女性。
この現代に恐怖の民話を紡ぐべく、烏頭の本家に愛人を迎えたいと言う彼女の真意もまた量りがたく、この二つの出会いが薬となるか毒となるかはまだまだ先の話。
んで16巻。
三神の出番なし。
ほぼ過去編。
暴虐の化身ではあったが村の活力の源だった海土路源造の死後、急速に衰えていく菰良村。
新たに現れた鬼子母神の如き"母神"鈴花は、息子二人の監視のため実家よりお手伝いの老婆・空木を呼び寄せる。
村を去った瑠奈への慕情を捨てきれない兄・灰人に、愛人は"愛執に塗れた悲劇"の到来を予感する。
愛人にすら気配を読ませぬ空木と、その空木をして「底知れぬ」と言わしめる愛人。
"手に収まらない"愛人はさて置き、幼少より何一つ手に入れられなかった鈴花にとって、灰人はかけがえのない所有物だった……。