大乱歩唯一の冒険小説「新宝島」。
サカナクションの元ネタかと思いきや、あっちは手塚治虫の漫画由来らしく、本作とは関係なし。
読後感は全く異なるが、ラストシーンに漂流教室を思い出した。
一方、昭和18〜19年という掲載時期も相俟って戦意高揚の側面も併せ持つ「偉大なる夢」だが、こちらは超速で移動する爆撃機開発というSF要素や米国の間諜を捜すスパイ風味、例の如く不可能犯罪を解明する探偵ものなど、複数ジャンルのごった煮状態。
無茶すぎる犯行動機も時代性を考慮した上でスルー推奨。
戦時中に生まれた驚異の鬼っ子娯楽大作。