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閑話:「意識の盲点」-終

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  • NT
  • 2021/03/29 13:52

 

(ここまでのあらすじ:

目の前にあるはずなのに認識できない、という盲点は視覚に限らず意識においても存在する。

つまり、我々の周りには常に、見ることも聞くことも、そして思考の対象にすることもできない世界が存在する。

そしてその盲点は、無意識下の「そんな世界はあるはずがない、自分には必要ない」という思い込みによって作りあげられる。

では私達は思い込みを外し、意識の盲点にアクセスすることは可能なのだろうか?

前回は3つ目の手法まで紹介した。今回は4つ目)

 

 

 

④無意識の力を利用して、無意識の思い込みを外す

 

食欲、睡眠、ホメオスタシス...

 

私たちの体について、無意識は実に多くのことをコントロールしています。

 

意識の関与できる余地はあまりにも小さい。

 

そして「生存本能」もそんな無意識がコントロールするものの一つです。

 

痛み、飢餓、病気、死、

 

我々はそういったものを避けるようにプログラムされています。

 

であれば、この生存本能の力を利用し、意識の盲点にアクセスすることができるのではないか?、という仮説が立ちます。

 

 

 

・肉体的臨死

 

では具体的にどうやって生存本能を刺激すればいいのでしょうか?

 

簡単に思いつくのが、「肉体的な死を身近に感じる」ことです。

 

極端な例をあげれば、いまからいきなり飢餓状態で無人島にワープさせられたとしたら、私たちは今まで考えもしなかったことを考えるでしょう。

 

他者との関係の中で偽ったり着飾っていた自分というものにも気づくでしょう。

 

間違いなく今までの常識が崩れます。

 

まあしかし無人島にいくことは現実的に不可能です。

 

現実的な案として、金銭的に追い込んでみたり、長期間のファスティングをしてみたり、過酷なレースに挑んでみたりという方法もありますが負荷が大きい。

 

つまり、肉体的臨死というのはなかなかにハードルが高い。。

 

では他にうまく生存本能を刺激する方法はないのでしょうか?

 

 

・「宣言」による社会的な死の予感

 

人間は他者と関わらずには生きていけないという点において、社会的な生き物です。

 

そしてそれはある制約をもたらします。

 

「他者と良好な関係を築かなければいけない」というものです。

 

長い歴史をみても、社会的な生き物である我々は、コミュニティの和を乱すものに罰を与えてきました。(ex.村八分)

 

罰とは直接的・間接的「死」であります。

 

そして私たちがその歴史をくぐり抜けてきたということは、すなわち我々の体には「他者と良好な関係を築こうとするプログラム」が備わっていることを意味します。

 

(特に閉鎖的な環境に身を置いてきた日本人はこの傾向が強いのかもしれません)

 

ではこのプログラムをうまく利用すれば、生存本能を刺激し、無意識の思い込みを外すことができるのではないでしょうか?

 

例えばですが、誰かの前で何かを「宣言」したとしましょう。

 

すると人間は知らず知らずのうちに宣言した内容と一貫した行動を取ろうとします。(一貫性の原理)

 

それは無意識が社会的な死を賢明に回避しようとする力とも言えます。

 

他者からの信用を失うわけにはいかないからです。

 

しかし、現代は昔に比べれば「一貫性をもたない行動」に対するリスクは非常に低いです。

 

法律の壁もありますし、たとえ一つのコミュニティで信頼を失ったとしても、別のコミュニティでは受け入れられる、という多様性と懐の深さがあります。

 

そう考えると「誰かの前で何かを宣言する」という行為は、思っている以上に強力に無意識の力を起動させ、思っている以上にリスクが小さいものなのです。

 

「宣言」には恐怖や不安が伴いますが、そこを乗り越えれば必ず無意識が今まで自分が見ようとしなかった世界を見せてくれるはずです。

 

たとえば私も「とりあえずブログの1話目を投稿する」というある種の宣言により、今まで思いもしなかったことを考えるようになりました。

 

なにかの参考になれば幸いです。

 

 

 

・終わりに

 

今の私たちの見た目や知識、技術、価値観というものはすべて過去の行動の積み重ねによってできています。

 

しかしそこには間違いなく、「意識の盲点に隠れしまっていた、より良い行動の選択肢」があったはずなのです。

 

そしてその選択肢を掴み取るためには、なんとかして意識的or無意識的に、無意識下の思い込みを外していかなくてはいけないのです。

 

この閑話がそのヒントになってくれたら嬉しいです。

 

それでは。

 

 

閑話:「意識の盲点」-終

 

 

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