ブロックチェーンでトレーサビリティが担保できる!?
今回は3弾にわたって「web3×農業」をキーワードに
「web3」の可能性を紹介したい。
第1弾では、「web3とは何か!?」を紹介した。
第2弾では、「ブロックチェーンで生産方法を見える化する」をテーマに
トレーサビリティとして活用する方法を紹介する。
✓ 「web3」をどのようにして農業へ応用する方
✓ 企業で農業を掛け合わせた新規事業を検討している方
✓ IT関連の注目ワードに対する理解を深めたい方
そんな方にこそ読んでいただきたい。
〝ブロックチェーン〟とは、「情報を暗号化して管理する」技術である。
おそらく〝ブロックチェーン〟と言えば
「ビットコイン(以下、BTC)」を思い浮かべる方が圧倒的多数だろう。
BTCは暗号資産の一つであり、確かに認知度はかなり高い。
2019年のある調査では**認知度「91・7%」**であり、
年齢層と比例して高まる傾向がある。
※マクロミルとHashHubの調査より(2019年8月)
そんな〝ブロックチェーン〟を語る上で、
外せないキーワードが「互換性」である。
現在、〝ブロックチェーン〟と一口に言っても
複数種類の基盤が存在する。
例えばBTC以外では、
イーサリアム(ETH)やネム(XEM)が存在する。
仮に、あなたがBTCを保有して、
ETHに変えたくなった場合、どうすればよいだろうか?
〝ブロックチェーン〟に「互換性」があれば、
「BTC→ETH」とすんなりと変換できる。
しかし、現状、〝ブロックチェーン〟には「互換性がない」。
そのため、「BTC→日本円→ETC」と、
一度、日本円のような通貨を経由する必要が生じるのだ。
これは〝ブロックチェーン〟の大きな欠点である。
この課題の背景には、
「各ブロックチェーンネットワークが異なるルール」
で運用していることがある。
そこで、「インターオペラビリティ(日本語で相互運用性)」と呼ばれる、
異なるブロックチェーン同士を繋ぐことができるようにする
仕組みが研究・開発されている。
そんな発展途上の〝ブロックチェーン〟技術を用いて、
トレーサビリティ実現を目指す実証実験を紹介したい。
最近、産地偽装で話題となっているのは、
「熊本産アサリ」である。
この偽装問題も、〝ブロックチェーン〟を導入すれば解決することが可能だ。
繰り返しになるが〝ブロックチェーン〟とは、
「情報を暗号化して管理する」技術である。
そんな〝ブロックチェーン〟の技術を用いて、
生産過程を見える化する実証実験を紹介する。
その取り組みは、九州の宮崎県綾町で実施された。
有機農業発祥の地である綾町で作られた野菜が、
次のような情報を消費者がQRコードを読み取って確認できるようにした。
✓どのような土壌で育ち
✓いつ誰が作付けをして
✓誰の手によって収穫されて
✓いつ出荷されたか
もちろん、情報を蓄積するのは一筋縄ではいかない。
しかし、実証実験を進めるため、綾町ではすべてをデータ化した。
東京都心で開かれた朝市に綾町の野菜を出荷したところ、
計240個用意していた商品がわずか2~3時間で完売した。
ブロックチェーンによるトレーサビリティ実現により
消費者は今までより安心して買える可能性を秘めているのだ。
一方で、ブロックチェーン導入にかかるコストはもちろん、
データ取得の仕組み構築はカンタンではない。
ブロックチェーンで情報を載せた農作物を
さらなる付加価値で売る仕組みがないことには、
普及しないと考える。
そこで、現在、ある米農家と共に、
「ブロックチェーン×アート」の発想で
お米のブランディングに繋がるプロジェクトを進めている。
今秋にはリリースを予定しているので改めて紹介したい。
次回は、「メタバースでマルシェ出店」をテーマに
農業をweb3でどう変革するかを紹介する。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。