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ガス代不要のイーサDEX!? CowSwap(カウスワップ)とは

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  • Taka
  • 2021/12/14 11:48
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CowSwap(カウスワップ)

 

こんにちは、Takaです。

今回はイーサリアムL1DEXでありながらガス代がかからないというCowSwap(カウスワップ)について取り上げてみます。

みんな大好き給付金(エアドロップ)の話もあります!

 

なお、記事を書くにあたってペーパー頑張って読み込んだのですが、仕組みが天才的すぎておそらくちゃんと理解できてません。笑

間違いなどあれば指摘していただけると助かります。

 

- 目次 -

■ CowSwap(カウスワップ)とは

■ バッチオークションの仕組み

■ CowSwapの使い方

■ トークン発行とエアドロップ

■ まとめ

 

 

 

■ CowSwap(カウスワップ)とは

 

CowSwap(カウスワップ)はGnosisプロトコル上に構築されたDEXアグリゲーターです。

主にイーサリアムメインネットにおける低コストでのスワップを目的としており、その他xDAIチェーンとRinkebyテストネットワークにも対応しています。

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CowSwap

 

イーサリアムでは昨今、トランザクションを承認するために必要なネットワーク手数料(ガス代)の高騰が深刻化しています。

この解決策として最近ではサイドチェーンやレイヤー2を使った解決策が主流となっていますが、CowSwapは全く異なるアプローチで低コスト取引を実現させています。

 

CowSwapの主な特徴2つです。

 

まず1つはDEXアグリゲーターのアグリゲーターとして機能することで最良の交換レートを提示できるということです。

Uniswap、SushiswapといったDEXを集約した1inchやParaSwapなどのアグリゲーターをさらに集約することで、オンチェーンの流動性からスワップに最も有利な価格を見つけ出します。

 

そして2つ目でありCowSwap最大の特徴は、ユーザー同士の注文を相殺するバッチオークションという手法です。

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Docs CowSwap

ユーザーのオーダーはGnosisプロトコルによって集約され、「Coincidence of Wants (CoWs) = 注文の一致」があった場合にはこれをまずオフチェーンで相殺します。

そして残った注文のみを1つのトランザクションにまとめて実行することで全体としてのガス代と流動性プロバイダー手数料を極限まで節約できるという仕組みです。

 

実質的にユーザーはトークンごとに1度だけアクセスを許可するトランザクション手数料が必要ですが、その後は署名(サイン)のみ取引が可能となります。

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Cowswap

これによりイーサリアムでのガスレス取引が実現します。

 

とはいえCoWsから溢れたトランザクションはオンチェーンで決済しなければなりません。そのため実質的にはCowSwapでは取引手数料の中にガス代が含まれています。

もちろん通常のL1DEXに比べれば取引コストは安いですが、完全にゼロというわけではないので注意が必要です。

 

 

■ バッチオークションの仕組み

 

ここからはバッチオークションの仕組みについて掘り下げていきたいと思います。

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Gnosisプロトコルでは、オーダーはオンチェーンで即時に実行されずにまずオフチェーンで収集されます。

そしてオペレーターの役割を果たす「Solver(ソルバー)」によって注文が捌かれ、決済ソリューションが提出されます。

ソルバーは互いに競合して最適なバッチ決済ソリューションを提出し、プロトコルは正しいソリューションに対して報酬を与えます。

 

ソルバーには誰でもなることができますが、

・担保としてトークンを預け入れること
・GnosisDAOの投票によって承認されること

の2点が条件です。

これにより悪質なソルバーは排除され、バッチオークションは常に最適化されます。

 

では実際の例を見てみましょう。

DAI→OWLをスワップしたいALICE
OWL→USDCをスワップしたいDaniel
USDC→DAIをスワップしたいBobとCarry

の3人がいます。

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このとき、それぞれのトレーダーが流動性プールと取引を行うのではなく、プロトコルはトレーダー同士を直接照合するためのリングを形成します。

図の例では、

DAIをAlice→Bob&Carry
USDCをBob&Carry→Daniel
OWLをDaniel→Alice

というように移動させれば注文の一致(COW)が成立します。

これがバッチオークション仕組みです。

 

バッチオークションではネットワーク手数料・プロバイダー手数料削減できることは先にも述べたとおりですが、メリットはそれだけではありません。

 

従来のAMM(オートマーケットメーカー)の仕組みでは、同一ブロック内に同じペアの取引が複数存在する場合でもそれぞれが異なる精算価格を持ちます。

するとブロック内でのトランザクション処理の順序が重要となり、その決定権を持つマイナーに大きなアドバンテージが生まれます。

これを「MEV(Miner Extractable Value)」といい、他人の注文を見て先回りするフロントランニングなどが問題視されています。

 

一方CowSwapでは、同一ブロック内の同じペアにおいて全て均一価格で注文を実行するため、トランザクション処理の順序に不平等が発生しません。

このことからCowSwapはMEV耐性のあるDEXとしても期待されます。

 

 

 

■ CowSwapの使い方

 

スワップの方法など基本的な使い方通常のDEXと変わりません。

 

Metamask(メタマスク)を接続し、スワップしたい通貨を選択します。

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リストにない場合は「Manage Token Lists」からトークンのコントラクトアドレスを入力することができます。

 

CowSwapで初めて使用するトークンは、最初にAprove(承認)のためのトランザクションが必要です。その後は署名(サイン)のみでスワップできるようになります。

また、ETHをスワップする場合はETHをまずWETHラップする工程が必要です。

 

スワップを実行後の状況はGnosis Protocolのエクスプローラで確認することができます。

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CoWの特性上、やはり通常のDEXよりは少し時間がかかるようです。

自分がスワップした際は完了までに5分程度かかりました。

 

 

 

■ トークン発行とエアドロップ

 

近年、新たにトークンを発行する際にトークンの一部を無料配布(エアドロップ)するプロジェクトが増えてきていますが、CowSwap給付金が期待されるプロジェクトのひとつです。

 

2021年12月現在、CowSwapにはまだ独自のトークンがありませんが、9月にGnosisDAOから「Gnosis Protocol Token =GPT」を発行する案GIP-13が提出されました。

GPTはGnosisプロトコルのDAO化を目的としたトークンであり、事実上CowSwapのガバナンストークンとも言えます。

 

実際にこの案が可決されるかどうかはまだ分かりませんが、この提案の中ではトークンの分配案についても言及されています。

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GIP-13 Gnosis Protocol Token

これによればトークン総供給の10%がエアドロップに当てられる予定で、Gnosisプロトコルのアーリーアダプターに5%、GnosisのネイティブトークンであるGNO保有者に5%と記されています。

 

アーリーアダプターとしての具体的な条件までは明記されていませんが、おそらくはCowSwapの利用者が対象になるのではないでしょうか。

 

またCowSwapでは現在、「CoW-filiate」というプログラムが開催されており、

自分自身取引回数ボリューム

紹介ユーザー取引回数ボリューム

イーサリアム版CowSwapで集計されています。

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CowSwap

このプログラムはイーサリアムメインネットでのみ有効で、一度取引を行ったユーザーは自分のアフィリエイトリンクを発行できるようになります。

 

このプログラムにおける報酬の詳細は不明ですが、以下のように書かれています。

報酬についての詳細はまだありませんが、私たちがコミュニティに感謝していることは確かであり、より多くの情報をすぐに共有します。ただし、トレース(集計)はすでに開始されています

 

もしかしたらこのCow-filiateプログラムGPTエアドロップに大きく関係しているのかもしれませんね。

 

 

 

■ まとめ

 

今回はガスレス取引が可能なイーサリアムDEX「CowSwap(カウスワップ)」について紹介しました。

 

をモチーフにしたキャッチーなUIが特徴的ですが、COW=Coincidence of Wantsという深い由来とバッチオークションの仕組みには驚きですね。

バッチオークションの仕組み自体はFXブローカーなどで「ノミ行為」と言われる手法に似たものですが、これをDeFiで実現するというのが天才的だなぁと感服しました。

 

レイヤー1でありながら低コストということもあり、ユーザーや出来高の伸びも順調のようです。

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Twitter CowSwap

 

給付金の可能性もあるので、一度使ってみても良いかもしれませんね。

 

 

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