皆さんこんにちは、PoW! WoW! WoW!です。
ALIS ICOに参加したHODLerやALISチームの皆様、ALISクローズドβ版公開おめでとうございます。
ALISでの投稿第1弾は、暗号通貨のエコシステムには欠かせない「マイニング」です。
暗号通貨の取引台帳「ブロックチェーン」にブロックを追加する行為をマイニングと呼びます。PoW通貨(アルゴリズムにProof of Workを採用した暗号通貨)の場合、新しいブロックに取引データと前ブロックのハッシュ値と共に入れるNonce(ナンス)値を最初に発見したマイナーにブロック報酬(ビットコインの場合は12.5BTC)が与えられます。
・ソロマイニング:単独でマイニングを行う方法です。マイニングに成功すると全てのブロック報酬を受け取ることができるメリットがありますが、成功する確率は低くなるデメリットがあります。
・プールマイニング:マイニングプールに登録して他のマイナーと共同してマイニングを行う方法です。マイニングに成功する確率が高くなるメリットがありますが、ブロック報酬は他のマイナーと分け合う形になるので少なくなるデメリットがあります。
・クラウドマイニング:マイニング事業者が設置した機器を使ってマイニングを行う方法です。ハッシュレート(H/s)を購入して、マイニングで得た利益から事業者に支払う手数料を引いた額が毎日支払われます。初期投資が要らないメリットがありますが、相場が下落して一定期間利益が出なくなると、契約が解除されてしまうデメリットもあります。
ハッシュレート(採掘速度)は、マイニングマシーンの測定単位で、ハッシュの計算を1秒間に何回行うことができるのかを「H/s」の単位で表します。1H/sだと1秒間に1回、1KH/sだと1秒間に1000回、1MH/sだと1秒間に100万回の計算を行います。暗号通貨のマイニングは、Nonce値を総当たりで探し当てる作業なので、ハッシュレートが高いマシーンほどブロック報酬を獲得できる確率が上がります。
・CPU
パソコンに内蔵されている中央演算処理装置(CPU)でマイニングを行います。消費電力(TDP)が少ないというメリットがありますが、ハッシュレートが低いのでマイニングで得られる報酬が少ないというデメリットがあります。
CPUでしかマイニングできない通貨では日本発の暗号通貨、BitZenyが有名ですね。また、AMDのRyzen 7 1700のように特定のアルゴリズム(MoneroのCryptoNightV7)ではGPUよりも効率的に採掘可能なCPUも存在します。
・ASIC
特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit)を略してエーシックと呼びます。ASICは特定のハッシュアルゴリズム(ビットコインの場合はSHA-256)を高速で採掘できるマイニング専用マシーンです。GPUの数十から数百倍の速度でマイニングすることが可能で、ビットコインやライトコインはASICを使ったマイニングが主流になっています。
ASICは特定のアルゴリズムの採掘しかできないので、マイニング可能な通貨は限定されます。ネットワークのハッシュレートと採掘難易度が上昇して採算が取れなくなった場合、GPUのように他の用途に転用することができません。また、採掘している通貨のアルゴリズムが変更されると最悪の場合、ガラクタ(海外ではレンガになるといわれています)同然になるリスクもあります。
・GPU
パソコンのグラフィックボード(グラボ)に内蔵されているGPUでマイニングを行います。汎用のPCパーツで採掘できるのが魅力で、高性能なGPUをゲーミングPCの空き時間を利用して採掘したり、複数枚のグラボを購入してマイニング・リグ(マイニング専用PC)で本格的にマイニングを行うなど、様々な形態でGPUマイニングが行われています。
●グラフィックボード
GPUマイニングで最も重要なパーツがGPUが搭載されているグラフィックボード(グラボ)になります。GPUの性能(ハッシュレートと消費電力)によって受けとる報酬が大きく変わるからです。
グラボはNVIDIAのGeForce GTXシリーズか、AMDのRadeon RXシリーズが搭載された製品が主流です。中でも、GeForce GTX 10シリーズとRadeon RX 400/500/Vegaシリーズが高いハッシュレートが出ることで人気があります。
また、GPUによって得手・不得手なアルゴリズムがあります。GeForce GTX 10シリーズとRadeon RXシリーズ各々の得意なアルゴリズムは以下の通りです。
・GeForce GTX 10シリーズ:Equihash(Zcash)、Lyra2REv2(モナコイン)、Ethash(イーサリアム)、X16R(Ravencoin)など
・Radeon RX 400/500/Vegaシリーズ:Ethash、CryptoNightV7(モネロ)など
GeForce GTX 10シリーズは、幅広いアルゴリズムを得意としています。NVIDIAのGPUはゲームやAIなどでも人気があるのでリセールバリューも高く、中古市場でも高値で売却できるメリットがあります。
Radeon RXシリーズは、イーサリアムのハッシュアルゴリズム「Ethash」と、モネロの「CryptoNightV7」の採掘でNVIDIAりもよ高いハッシュレートが出ます。
●マザーボード
マイニングではグラボの次に重要なのがマザーボードの選択です。マイニング用に設計されたマザーボードであれば、BIOSの設定がほとんど不要で利用できるので便利です。製品名にBTCやMINING、FINTECHの文字が入っているのがマイニング用製品になります。
マザーボードの選択で重要なのが拡張性です。なるべく多くのグラボを搭載できる製品を選んでおけば、グラボの増設時に1枚のマザーボードで対応できるからです。増設時にマザーボードのPCI-Expressスロットが足りなくなった場合、マザーボードとCPU、メモリ、ストレージ、電源を追加購入する必要があります。
●CPU
GPUマイニングでは高性能のCPUは不要です。インテル製チップセットを搭載したマザーボードの場合、価格の安いCeleronシリーズのCPUで十分です。
AMDのチップセットに対応したマザーボードを選択した場合は、Monero(モネロ)を高効率でマイニングできるRyzen 7シリーズのCPUも選択肢に入ります。
●メモリ
GPUマイニングでは、メモリの容量は4GBで十分とされていますが、Windowsでマイニングを行う場合は8GBはあった方がいいです。CPUでもマイニングを行う場合は、メモリクロックが高く容量の大きい製品が必要になります。
●電源
電源ユニットで重要なのは変換効率と出力(W)、電源コネクタ数です。変換効率が高い製品ほど電気代を抑えることができます。変換効率は「80PLUS」と呼ばれる認証方式のグレードで決まります。グレードが最も高いTitaniumを選べば電気代が安くなりますが、単価は高くなります。変換効率と単価のバランスを考えた場合「80PLUS Gold」の電源を選択するのが無難でしょう。
出力は稼働するグラボの枚数が目安になります。4枚で1000W、6枚で1500W(750Wx2)、8枚で2000W(1000Wx2)が目安です。2台の電源ユニットを使う場合は、電源連動ケーブルで連結することで使用することができます。複数台の電源ユニットを接続できるマザーボードもあります。
マイニングではグラボとライザーカードの枚数分の電源コネクタが必要になります。PCIe 8(6+2)ピン電源コネクタ、SATA電源コネクタ、ペリフェラル電源コネクタの数が不足する場合もあるので注意が必要です。
●ライザーカード
複数枚のグラボでマイニングリグを構築する場合、マザーボードのPCI Express x1をx16に変換するライザーカードが必要になります。ライザーカードは製品によって品質にバラつきがあり、品質が悪い製品を使うとモニターが突然ブルースクリーン(BSoD)になって再起動するなど予期しないエラーが発生する場合があります。Amazonレビュー等で評価が高い製品を選択するといいでしょう。
●OS
マイニングでは手持ちのPC環境を使え、マイニング用のソフトが豊富に揃っているWindows 10を使うのが一般的です。単価が高い、最大12枚までしかGPUを認識しないなどのデメリットもあります。
中級から上級者には、Linuxベースのマイニング専用OS「ethOS」が人気です。単価が安く、認識できるGPUの制限もないので、マイニング専用マザーボードの性能をフルに発揮できます。
その他、SimpleMiningやHive OSなどのマイニング専用OSもあります。
PoW! WoW! WoW!が考えるGPUマイニングの魅力はパーツ選びの自由度と、採掘できる通貨が豊富なこと、工夫次第でハッシュレートを上げることが可能なこと、そして暗号通貨のエコシステムに参加できることです。
ハッシュレートが上がると、報酬で受け取る通貨の枚数が増えるのでやりがいがあります。
中央銀行のようなトラステッド・サード・パーティ不要の暗号通貨は、国家が独占していた通貨発行権を個人が持てるようになったとも言われています。そう考えると、マイニングには好きな通貨を発行できるという醍醐味もあります。
10万円あれば簡単なマイニングリグの構築は可能です。10万円で通貨発行権を手に入れることができると考えれば安いといえるのではないでしょうか。この投稿を読んで少しでもGPUマイニングに興味を持っていただける方が増えれば幸いです。
それではまた。