【背景】
バイクメーカのヤマハ発動機が中古バイクを貸し出すビジネス、月極ライダーの開始を発表した。これは今広がっているサブスクリプションビジネスのバイク版である。これは免許取り立てや、新しいバイクに乗り換えるバイカーにとっては嬉しいサービスである。
しかし現状埼玉県の店舗に限られるため(実地検証がうまくいけば今後拡大していくだろうが)、利便性に欠けるのも事実である。レンタルバイクはレンタカーほど店舗がないので、借りて返却できるがかなり限定される。ツーリングの悩みの一つは、目的地のスタート地点まで自分で運転するか、高額の移動料を払って移動させなければならない。
【提案】
個人が所有するバイクを個人間で貸し借りできるサービスを展開する。これによってツーリング目的地の近くでバイクを借りることで、自分のバイクを遠距離移動する必要がなくなる。バイクは車と違って娯楽性の高い乗り物であるため、必ずしも毎日使うものではなく、むしろ使っていない時間の方が長い。そのアイドリングタイムを活用することで、バイクを有効活用することができる。
このサービスはUberよりもAirbnbに似ている。バイクは移動手段ではあるが、リアルタイムに動くバイクの位置情報を追跡する必要がなく、メッセージのやり取りや即時決済の必要がない。そのためバイクの貸し借りはAirbnbよりも遥かに簡単な仕組みになる。
問題は大きく分けて三つある。一つ目は個人のバイクを他者に貸しても法律的に問題ないかである。二つ目は事故した時の保険の扱いはどうなるかである。三つ目はバイカーの自分のバイクの愛着度である。これがこのサービス独特の課題になりそうである。バイクは嗜好性の高い乗り物であるため、自分のバイクに非常な愛着を持つとき、他人と愛車を貸し借りすることをバイカーが許容するかが疑問がある。