とうとう私のパソコンにもMicrosoft office 365が入った。
というか強制的に購入版が消されて365にアップグレードされた。消費者にとって何のメリットがあるんだろうか。
最近はあちこちでサブスクリプション(以下サブスク)と合わせてシェアリングエコノミー(以下シェア)が叫ばれている。その大きな要因の一つはAirbnbとUberというベンチャー企業の誕生だったと思う。この二つの企業は住居と自動車(移動手段)という、最も古典的で必要なものを一気に変革した。そこから自転車、音楽、動画など、娯楽、生活、ビジネスの中であらゆるものがシェアやサブスクの対象となっている。
サブスクとシェアはレンタルの変形だと思っている。レンタル、サブスク、シェアの区分けは製品によってかぶっているようなものもあればまったく違うこともある。この三つに共通することは初期費用が低いので、使用頻度が低いか試用してみるのに適している。
また購入ではなくレンタルなどがされるには信用が必要である。貸す側はちゃんと貸したものを返したり正しく使ってくれなければ困るからである。以前はそれは付き合いの程度、金融取引などによって探っていたが、IT技術によって信用情報の格付け方法や情報伝達の方法が変わった。顧客もまた使用者として評価されている。
ただ必ずしもサブスクやシェアは新しい概念ではないとも言える。実際住居などの不動産では新設、中古、賃貸があり、長屋のようなシェアもあった。図書館や運動場なども場所と施設のシェアである。ある意味究極のサブスクは税金かもしれない。江戸時代にも様々なレンタル、シェア、サブスクがあったらしい。過度に江戸時代を美化するつもりはないが、学ぶべきことは多い。
個人的にビジネス領域において、サブスクやシェアに大きな影響を与えたのは建設機器メーカのクボタやコピー複合機だと考えている。
クボタはGPSを早い段階で自社の工作機械に取り付けていた。当初は盗難対策だったらしいが、遠隔機能が加わり、支払い滞納者を見つけたり、強制停止することができるようになった。さらに利用状況に合わせてメンテナンスの推奨ができるようになった。つまりクボタはレンタル、サブスク、シェアの三つにまたがってビジネスができるようになった。
オフィスで使われるコピー複合機は現在ほとんどがリースである。その方が企業もメーカもメリットがある。メーカはメンテナンスや消耗品の補充を定期的に行うことで安定した収益が見込め、企業はその雑務の煩雑さから解放される。
下表にレンタル、シェア、サブスクの特徴をまとめた。製品やサービスによって異なるところはあるが、概ねこのような傾向だと考えている。
おそらく今後もこの領域のビジネスは拡大していくと思われるし、消費者の多くはそれを望んでおり、私もそっちの方がいいと思っている(MS office 365を除いて)。Uberの利用者はしばしばタクシーよりも安くて便利でサービスもいいと言っている。企業もそのために変革をしていかなければならないし、新しいチャンスにもなる。トヨタは自社でカーシェアや自動運転の技術を開発している。