第2回目のイラストのお話です。
今回はこちら
車種:SUBARU インプレッサ WRX STI '10
画材:デジタルの線画と鉛筆、A4コピー用紙
制作時間:約25時間
「塗り込む作業がしんどい」という理由で避けていた黒い車を、初めてまともに描いた作品です。だいたいの色は縦横(たまに斜め)に線描を重ねて塗っていくのですが、これは3〜10Bを使い分けて紙の凹凸を潰すように塗り込みました。
注目していただきたいのはリアフェンダーからドアにかけての光沢感です。
1回目に塗った時は左の状態だったんですが、いまいち納得がいかず翌日描き直しました。
反射を強く意識して描き直した結果良い光沢感が得られました。これが出来た時は嬉しかったですね。
この作品を制作していく中で「黒は他のどの色より濃く、どの色より強く反射する。黒の中には周りの景色や空気が映る」と感じました。
この作品の進捗状況をまとめた画像です。
ホイールのアルミの素地の質感、バンパーに映り込んだ街並みがうまく表現できたと思います。最後に背景が寂しいので、装着されているホイール BBS RSのスポークをデフォルメし、センターにオーナーさんが所属しているカークラブのロゴを入れてみました。
実は今まで描いてきた作品の原画は全て手元にありません。車のオーナーさんに可能な限り直接手渡しでプレゼントしています。コピーも取っていません。
というのも、手描きの作品のコピーを印刷して持っていても意味がないと思うんです。モナリザをコピー用紙に印刷してもなんの価値も無いのと同じことです。
作者が誰であろうと限りある命の時間を削って生み出した作品なら同じ価値があると思います。その削った時間の生々しさを、筆圧で凹んだ紙や線の1本1本から見て感じて欲しいんです。
ということでこの作品も先日お渡ししてきました。
完成から10ヶ月も経過してしまいしたが、なんとかラストランの日に渡せて良かったです。
タイヤがすんごい角度になってますが「こういう世界もある」程度に思っておいてください。
また過去作品紹介かな…?