皆さん、こんにちは。64です。
今回の懐・古・趣・味は「HD DVD」についての話です。
HD DVDvsBlu-rayの対立構造は第2世代光ディスクの時代から始まります。
DVD登場以前の1990年代初頭、CDより高密度の第2世代光ディスクには映画の情報量から考えると50倍の容量が必要でそれを実現するためには青色レーザーが必須と考えられており、研究が行われていた。ハリウッド映画業界から早期に商品化してほしいという要望があったが当時は青色レーザーによる光ディスクの実用化は困難であった。そのため当時急速に進歩していた動画圧縮技術で必要とする容量を大幅に減らし、青色レーザーを使わず大容量化を図った光ディスクを組み合わせる方向で開発が進められた。ソニーは青色と赤色レーザーの中間の波長となるSHGグリーンレーザーを用いた光ディスクを研究していたがCDと同じディスクの厚みに拘ったため他社の赤色レーザーを用いた改良型の光ディスクに容量で劣っていた。1994年末には東芝・タイム・ワーナー・松下電器産業(現・パナソニック)・日立・パイオニア・トムソン・日本ビクター(現・JVCケンウッド)の連合による赤色レーザーを使ったSuper Density Disc (SD) の開発がされていた。一方で、フィリップス・ソニー陣営も赤色レーザーを使ったMultiMedia Compact Disc (MMCD) を同時期に開発しており、1980年代のVHS対ベータ戦争の再来が危惧されていた。
DVDが開発される直前期、東芝率いる「Super Density Disc」陣営と
ソニー率いる「MultiMedia Compact Disc」陣営で争っていたのです。
(ソニーが独自規格のメディア作るのはベータマックスを作ったソニーらしいと思います(笑))
しかし、「Super Density Disc」陣営にソニー側が合意することで、
この争いは終わりを迎えたのです。
そして東芝率いる「Super Density Disc」は「DVD」と名前を変え、
「DVD」が登場したのです。
時は流れ2000年代初頭....
第3世代光ディスクの規格争いが始まったのだった....
では第3世代光ディスクの対立構造を見ていきましょう。
この争いは「HD DVD」陣営と「Blu-ray」陣営の戦いになっています。
・半導体や電子デバイスの名門「東芝」
・アメリカ合衆国の大手映画会社「ユニバーサル・ピクチャーズ」
・Windowsを開発した「マイクロソフト」
・CD製造メーカー国内最大手「メモリーテック」
マイクロソフトとか東芝とかがいたら勝てますよね!
では、「Blu-ray」陣営を見ていきましょう!
・音楽・映像機器、プレイステーション、映画事業やってる「ソニー」
・ディーガ、LumixそしてVIERAを製造している「パナソニック」
・ヘルスケア製品・医療関連機器を中心とするメーカー「フィリップス」
・この木なんの木でお馴染み「日立製作所」
・液晶の名門「シャープ」
・世界初カーナビゲーションシステムを開発した「パイオニア」
・VHS第1号ビデオデッキを発売した「日本ビクター」
・財閥系家電メーカー「三菱電機」
・世界最大の総合楽器メーカー「ヤマハ」
などなど
ちなみに「Blu-ray」陣営には映画関係では
ソニー・ピクチャーズ・ディズニー映画・スタジオジブリ・20世紀フォックス・
ワーナーブラザーズ
IT関係ではデル・アップル・サンマイクロシステムズ・
ソニーコンピュータエンタテインメント・AMD・NVIDIA
などが参入していたみたいです。
この規格戦争は、2008年2月19日に終わりを迎えます。
2008年2月16日にはNHKなどでHD DVDを主唱する東芝が撤退を検討しており、同月中にも決定を発表する見込みと報じられた。そして2月19日、東芝はHD DVD事業についての記者会見を開催。東芝社長の西田厚聰は「HD DVD事業を終息する」と正式発表し、「異なる規格が併存することによる自社事業への影響、消費者への影響の長期化をかんがみ、早期に姿勢を明確にすることが重要と判断した」と説明した。HD DVDレコーダーならびにプレーヤーの開発/生産は中止され出荷も縮小し2008年3月末には事業を終息させる。PCやゲーム機向けのHD DVDドライブについても量産中止すると発表。出荷されたHD DVD関連製品についてはサポートを継続しHD DVDドライブを搭載した同社製ノートPCについては「今後の市場ニーズをふまえて、PC事業全体の中での位置づけを検討する」と発表、HD DVDドライブ搭載モデルの生産を打ち切った。これで第3世代光ディスクの規格争いに事実上終止符が打たれ、BDへの完全一本化が決定する形となった。またHD DVDプロモーショングループも同年3月28日をもって解散し、ここにHD DVDは名実共に歴史に幕を閉じた。
この東芝のHD DVD撤退により、HD DVDは歴史に幕を閉じました。
東芝1社の力(実質)ではBlu-ray陣営には勝てなかったという話でした。
ちなみに最後の方では東芝がHDDVDのデッキを300ドル値下げするという事態になったらしいのですが、これを知って、かつてゲーム機を製造していた某S社の最後のゲーム機を思い出しました(笑)
VHSとベータのビデオ戦争では、安価であったVHSが勝利を収めましたが、残念ながら今回のHDDVDとBlu-rayの第3世代光ディスクの規格争いでは、安価なHDDVDが勝つことができませんでした。
ただ規格争いに勝利したBlu-rayも苦戦しているみたいで、DVDの方がまだ需要があるというデータもあります。Blu-rayが高いという点や、アマゾンプライムやネットフリックスなどの定額制動画配信サービスの登場などが影響しているかもしれませんね。
またDVDを使用している層の人たちは少しでも安い方がいいという考えの人が多いため、東芝以外のメーカーがHD DVDに参入していたら、今の状況は変わっていたかもしれませんね。
僕の家にはBlu-rayもHD DVDもありません(笑)
DVDプレイヤーがありますが、最近あんまりDVDもレンタルしなくなりましたね....
ただ最近(結構前からだけど)Ultra HD Blu-rayっていうのを見るので、
それがめっちゃ気になってます。