日和坊(ひよりぼう)
常陸の国(現在の茨城県)の深山
岩肌に彫られた石仏のような姿をしています。
雨が降っているときには、見ることができません。太陽が出ているときにその姿を現します。
この晴れの日にしか現れない特徴は現在にも残る日本のある俗信が関係しています。
鳥山石燕は『今昔図画続百鬼』において、
近年、女性たちの間で紙で「てるてる法師(坊主)」なるものを作り、晴天を祈るのが流行っている。それは、この日和坊の霊を祭ることに由来している。
という内容の説明をしています。しかし、実際にてるてる坊主の起源がこの日和坊であるかは不明です。
日和坊は、前述の鳥山石燕の『今昔図画続百鬼』にのみ登場します。
つまり、鳥山石燕のオリジナル妖怪の可能性もあります。
また、てるてる坊主について『笠附類題集』(1859)では日和坊(ひよりぼん)、『大坂繫昌詩』(1859)では大坂の風習として祈晴僧(ひよりぼうず)が紹介されています。さらに、長崎県長崎市では日和坊さん(ひよりぼんさん)と呼ばれており、『長崎県史』では次のように書かれています。
妖怪日和坊はこうした語彙と何らかの関係があると思われる。
このように日和坊はてるてる坊主の起源としては不明ですが、関係がないとも言い切れません。
・石仏のような姿
・晴れの日に現れる
・てるてる坊主の起源説アリ
・鳥山石燕の作品でしか見られない