私は教師をしていますが、授業でよく妖怪の話をしています。すると、ときどき学生から「妖怪と幽霊とお化けって全部同じ?」と聞かれることがあります。日本人なら妖怪と幽霊は説明はできないけど、何となく違うことがわかると思いますが、定義として説明するとなるとまた難しい質問です😞
私のような教師は少ないとは思いますが、もし同じような質問をされたときのために簡単に説明します。
お化けというのは「化け物」から変化した言葉です。
化け物とは、化ける物もしくは化けた物です。
妖怪も幽霊もどちらも化けることができたり化けた結果生まれたものです。
例えば、妖怪なら、「キツネ」「タヌキ」は化けるものとして有名ですし、幽霊はそもそも死ぬことで幽霊に化けて生まれます。
このように妖怪も幽霊も化け物という大きなカテゴリーの1つです。
「妖怪とは何か?」でもお話しましたが、妖怪とはよくわからないけど、特別な力を持った怖いものです。
それでいうと幽霊も人を呪い殺したりと人が持っていない力を使う怖い存在です。また、幽霊が妖怪に化けたり、妖怪の正体が幽霊だったりするため、従来は、幽霊も妖怪の一部とされていました。
しかし、最近では、性質から違うものではないかとする説もあります。
わかりやすいように図にまとめると下の図のようになります。
上で最近では、妖怪と幽霊の関係が性質によって違うものと扱われているとお話しましたが、その性質とは、ずばり
殺せるか殺せないかの違いです
妖怪は、生物としての性質を持つものが多く、退治譚ではよく殺されます。有名なものでは、鬼の棟梁である「酒吞童子」は首を切られて殺されました。
最近ブームの『鬼滅の刃』でも鬼は特殊な刀「日輪刀」で首を切ることで殺すことができます。
対して、幽霊は死ぬことで誕生します。もう死んでいるものを殺すことはできませんね。
幽霊の退治譚では、幽霊は成仏させるか封印させるかが多いです。
少し古いマンガですが、『地獄先生ぬ~べ~』では、主人公のぬ~べ~持つ鬼の手で幽霊を消滅させていました。
消滅は殺すのではなくその存在を消すことであるため殺したとは違うものとなります。
「妖怪は場所に出て、幽霊は人に出る」と言われています。それはどういうことかというと、妖怪は山や海、道、家など特定の場所に出現し、出会ってしまってもその場から離れれば追ってくることはありませんが、幽霊は特定の人物のもとへ現れ、どこへ行こうともその人物がいる場所に現れます。このように出現場所による違いもあります。
結論としては、
妖怪と幽霊もお化け(化け物)の1つであり、見分け方としては、妖怪は殺すことができて幽霊は殺すことができない‼
とても単純ですが、中々知られていない妖怪と幽霊とお化けの関係でした