面白いゲームがあるらしい...。
巷で流行りの「CTA」とやらだ。
噂ではどうやら街中をパトカーとカーチェイスしたり、気に入らない売人を撃ち殺したり、ヘリコプターをジャックして街に突っ込んだりするらしい…。
オープンワールドのゲーム内で、現実世界では成し得ない邪知暴虐の限りを尽くすことが醍醐味とのことだ…
正直、もうそのようは野蛮なゲームにはうんざりしていた...。銃!ドラッグ!暴力!イリーガル!!
そういう単細胞的なありきたりで捻りのないジャンクフードのような非日常感には飽き飽きしていたのだ…。彼らは前頭葉に蛆が湧いている。わしはまだ、ただの破壊衝動で回し車をのたうつゾンビにはなりたくない。
しかし、Twitter上でわしが観測する限りではどうもただならぬ盛り上がりを感じる。USA!USA!とでも言わんばかりの熱狂を纏っているのだ。今日も界隈ではCTA!CTA!とインテリメリケン達のコールが鳴り響いている。
どういうことだ??BCGを愛するあのインテリ達もみなゾンビに感染してしまったのか?いよいよ世界の終わりだ、このままでは地球上に存在する知性はAIだけになってしまうぞ。シンギュラリティに取り残された人類は、ついぞ投げ槍になってしまったのか!?なんたることだ、いよいよ世紀末の幕開けか?これでは野蛮なゲームの世界が現実になってしまう日もそう遠くはないだろう。あぁ神よ。
これは見過ごすわけにはいかぬ…わしは彼等の脳を蝕むそのゲームをこの目で確かめることにした。
え...?
全然違った...
一瞬"グレートティーチャー鬼塚"の方と間違えたのかとも思ったけどそれも違った...。
"GTA"でも"GTO"でもなかった...
"CTA"だった!
......よかった!
わしのTwitterには、街中でカージャックをして銃を撃ちまわすインテリも、生徒の家に乗り込みハンマーで壁を破壊する野蛮なインテリもいなかったのだ...!
本当によかった!!
安心したまえ、世紀末はまだ先だ。BCGを愛するイケイケなインテリの彼らは、相も変わらずに嬉々としてよくわからないカードゲームをやっていたのだ。平常運転だった。薬物中毒のヴァイオレンスマッチョになって窃盗や器物損壊、殺人を繰り返していなくて本当によかった。
さて、彼らへの疑いも晴れたところで、実際にCTAがどんなカードゲームなのか調査してみたいと思う。
ふむ、ゲームの名前は、「CROSS THE AGES」というのか。
「クロス ザ エイジ」と読むらしい。なるほど。
「"エイジ"なら俺に任せろ!」心の中の○東英二が、力強くわしに囁いてくる...。
わかったよ英二...。このゲームは君に任せる。
それを聞いた英二はまるで全盛期のマウンドに立つ時かの如くその目に熱い闘志を燃え滾らせた。しかし、板東英○の朝は早い...。毎朝、愛してやまないゆで卵を調理するために英二は常に早起きをしていた。彼のゆで卵の1日の消費量はゆうに20個を超える。睡眠時間を除いて、1時間に1つは口にゆで卵を入れないと調子が出ないのだ。
故に彼は毎日朝早くから台所に立ち、ゆで卵を仕込んでいた。
やる気に満ち溢れた英二だったが、この時既に夜の10時を回っていた。本来の英二ならば既にベッドの中で明日のゆで卵のことを考えている時間だった。
忍び寄る睡魔と、明日に控えるゆで卵への欲望が、彼の思考を蝕んでいく。
しかし、ここで引き下がる英二ではない。長年白球を追いかけることで彼の中に刻まれた闘志は、朦朧とする意識の中で一刻もはやくゆで卵を摂取したいという欲へと向かっていた。
本来ならば寝ている時間、英二が最後にゆで卵を食べてから、既に80分が経過している...。このような事態は彼が生まれて初めて直面することであった。
ここから先は、未知のゾーン...
涎を垂らして船を漕ぎはじめた英二が眠りに落ちるのは最早時間の問題だった…
刹那...!!くわっ!と目を見開きゆで卵にかぶりつく英二!!
ゆで卵を補給して覚醒する英二!歯磨きは先ほど終えたばかりだ...その代償は大きい!齢80を超える彼のこの先に待ち受ける副作用は一体どれほどのものなのか...。
高コレステロール!高脂血症!22時を超えてからの飲食が英二の老体を襲う!!
「もう...これでおわってもいい...だから...ありったけを...!」
英二のただならぬ覚悟は彼を"英二さん"へと覚醒させていた...禍々しいオーラ。天賦の才を持つものが更にその才をすべて投げだしてようやく得られる境地!何十年!?絶え間ない修業を経てようやくたどり着くはずの姿。どれだけの代償を払えばこれだけのオーラを!!
残された英二の時間は少ない...。
英二は激怒した。
必ず、かの奇天烈なゲームを攻略せねばならぬと決意した。
英二にはカードゲームがわからぬ...。
英二はただのタレントである。ババを抜き、UNO!と叫んで暮らしてきた。
けれどもハイカラに対しては、人一倍に敏感であった。
走れ英二!!
開始されるチュートリアル...。
英二には英語がわからぬ。
すべてスキップした。
とりあえずプレイボタンを押下。
今の英二には時間がないんだ。早くやらせろ!
デッキを選ぶ?トレーニングと書かれたものしかない。
なにがトレーニングなのかもわからぬままにそれを選び戦いに挑む。
人生は死ぬまでトレーニングだ...!!なんら問題はない。
いまこそインテリを虜にするそのゲームの真贋を、英二が暴くのだ!!
鳴り響くゴング!今、闇のゲームが始まった。
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