トイザらスが倒産したというニュースを聴いて正直驚いた。今年になって、立川市のららぽーとにトイザらスの店舗が入ったことを知っていたからだ。
よくよく調べてみると、倒産するのはアメリカのトイザらス本体だそう。「本体って、日本は余計に大丈夫なの?」と思ったが、アメリカと日本の資金繰りは完全に分かれているらしく、日本の事業には影響はないんだそう。ちなみに、倒産に伴って潰れてしまう店舗は、アメリカとカナダの二国のみ。
日本のトイザらスでは店舗がしっかりと顧客を確保できていて、直近では潰れちゃうような心配はない様子。
子どもの頃、一種のテーマパークのように思っていたことを思い出す。店舗は大きなスペースを利用して、すぐに触って遊んでみることもできるし、商品もきれいに展示してあって、ショールームのようでもある。しかも、商品の陳列棚の近くにはタブレット端末があったりして、すぐに注文できる仕組みを整えようとしているらしい。(実際に見たことはない)
トイザらスが倒産した背景には、Amazonの影響がある。ECサイトは全く太刀打ちできなかったそうだが、Amazonは店舗でも工夫が見られた。
Amazon(ブックス)の店舗は、すべての本が表紙を正面に向けて陳列してあるのだそう。きれいに展示してあって、これもまたショールームのようだと。
表紙がこちらを向いていると、顧客も商品を手に取りやすく関心をもちやすいそう。一般的な本屋さんでは、背表紙を向けて陳列する棚に入った本は、8割方ほとんど売れないらしい。
そして、「ショールーム」っぽい店舗がもうひとつ頭に浮かんだ。
みんな大好きIKEAだ。
IKEAでは部屋が展示してあって、商品が部屋に溶け込んでいる。「こんな家だったらいいなぁ。」「このアイテムうちも使えそう!」と想像が膨らむ。
ここで、ECサイトだけを見て買う人は少なく、ショールーミングとウェブルーミングによる購入が多いことを思い出した。
ショールーミング:店舗で商品を手に取って、ネットで購入を検討する。
ウェブルーミング:ネットで商品を検索して、店舗で手に取ってみる。
ここ最近、なんでもかんでも"2.0"しすぎてて笑うけど便乗。
店舗のこれからとしては、店舗で購入する顧客のために品揃えをよくするだけでなくて、顧客に"商品を得た状態のイメージ"をつけて、より関心をもってもらうための見せ方を工夫していくといいんだろうと思う。
もちろん、店舗で買いたい世代の人もいれば、何かしらのサポート等を受けたい等、目的によって店舗で購入する人はいるだろうから、今のかたちの店舗をなくす必要はないと思う。
顧客によりイメージをもってもらうって、最近流行のUX(顧客体験)の提供なんだろうか。そう思うと、ますますこの方向での工夫は増えていきそうだな。
まず顧客がイメージを強く(体験)する。そして、顧客が"関心をもってから購入まで"の効率化。(一度、会員登録だけしておけば、ボタン1つで即購入可能とか。むしろ会員登録以外の認証方法とか。)
ここに、E-Commerceが力を発揮できるフィールドがあるのかもしれないな。
あとがき
本記事では、Keiさんの以下記事で紹介されていた"線の画像"を利用しました。おかげさまで色味きれいに仕上がりました。