うちのお風呂には、僕に必要な手すりを十分設置してある。ひとりで入るのに不自由はないのだ。
問題は旅先でのお風呂だ。 ホテルの部屋の場合、古いホテルほど湯船の縁が高くて、それが越えにくい。そんなときは、近くに椅子を置き、まずそれに座る。 そして、片足ずつ湯船に入れてなんとかつかることができる。が、 バランスを失って危ないときもある。
大好きな温泉はもっと大変だ。
入り口から洗い場や湯船まで、手すりのない平場を歩いていくのは、 (低酸素脳症後遺症で)転倒しやすい僕には、危険すぎる。
そこで編み出した方法を教えよう。
お風呂の座椅子をふたつ用意する。そのうちのひとつに座る。 もうひとつを進行方向に横向きに置く。お尻を横滑りさせて、そっちの椅子に座り直す。するとさっき座っていた椅子が空くので、それを手にとってまた進行方向に置く。これを繰り返して、だんだん湯船に近づいていくのだ。
以上はあくまでも僕の場合である。この方法が使えない重度の人にはもっと人の援助が必要だろう。
最近は車椅子のまま湯船までいけるお風呂のある温泉旅館もあるという。また手厚い援助さえあれば殆どのことは可能ではないか。
身体障碍者だって、のんびり温泉につかりたい!