バッテリーの充電は電動車椅子にとって死活問題だ。状況や動き方にもよるので一回の充電で何キロ動けるとか、 何分走れるとかは、パンフレットにも明記していない。
僕の実感では、駅まで行って電車で出かけて行き先でたとえばじっと映画なんかを見て戻るだけなら十分余る。でもアミュー ズメソトパークや動物園など出かけ先でも動き回るなら家に帰リ着くか心許ない状態になる。
インジケーターは五つ点灯して満タンだが、三にまでなると緑色から黄色になる。そうなれば機会ある時に充電させてもらっておいた方が安全だ。幸い、たいていのお店や喫茶店などでは、 事情を話すと気前よくコンセントを貸してくれる。コーヒーを飲んで一休みしている間、充電していればまた満タンにして出発できる。
具体的な名前は控えるが、大きな企業や組織ほど 「規則によって」充電を断る場合が多い。「携帯の充電もお断リしていますので」というが、携帯電話と一緒にしないでほしい。移動し、帰り着くのは、いわば死活問題であリ、障碍者にとって保証されるべき権利のひとつだと思うのである。
大きな組繊では状況を自分の目で見ず、組織のマニュアルだけを見ることが多い。そんな所では入ったばかりのバイトなどに直接言う方が何も考えずに「あ、ここにコンセントあリますからどうぞ」などと言ってもらえたりする。