東尋坊へ行きたかったのは、タナトス(死への欲動)を試したかったからだった。
1985年頃、船で沖縄に行き、ヒッチハイクで回り、浜辺で野宿していた。
その旅で、万座毛の断崖の上に立って下を見下ろしたとき、ものすごいタナトスが僕を襲った。
飛び降りたいという衝動が自分で制御できないくらい高ぶった。
これは自分で自分が危ないと思って、座りこみ、後ずさりして遠ざかった。
あれはいったい何だったのか。
東尋坊でもそれを感じるか試してみたかったのだ。
だが、残念ながら、車椅子では岩場を行けず、断崖を見下ろすようなことはできなかった。
遠くから眺めている限りにおいて、タナトスは発動しない。
タワーより
いわばカフェ
Daisakuさんによる、いわばカフェ記事
車椅子で行ける限界まで