
シティーズスカイラインは2015年のリリースから今年で7年目になる。街づくりゲームとしてその地位を確固たるものにしている強みは、見て取れるほどに美麗なグラフィックと細やかなシティクリエイトへの配慮だと言える。

このゲームが目指すべきところはどこか、それは市政を全うすることに他ならないが日々追加されるDLCを目の当たりにして困惑してしまうことはあるのではないだろうか。
スノーフォールに始まったダウンロードコンテンツシリーズは、もはやその数を数えるこはできないほどにまで膨れ上がっている。空港に重きをおいたエアポートや公園を取り上げたザ・パーク、サンセットハーバーにマストランジットなど枚挙にいとまがない。

今までのDLCに対する評価動向を見るに、最もおすすめされているダウンロードコンテンツはナチュラルディザスターとマストランジット、そして初期コンテンツの一つであるアフターダークだろう。これらはDLCでありながらもシティーズスカイラインの梱包物打と言っても過言ではないほど洗練されており、街づくりに欠かせないアイテムとなってくる。
今回のシティーズスカイラインのプレイ目的は「今までに議論されてきた一つである人口動向」についてだ。シティーズスカイラインはある意味では渋滞解消ゲームだとか、経営ゲームだとか言われる。確かに、マストランジットの登場やインダストリーの登場を見ればそう言われるのもおかしくはない。
しかし、人口を増やすゲームでもあることに変わりはなく、最大でどこまで行くのか、25タイル都市での実験を行ってみると言うのはいささか変な目的ではないだろう。とはいっても、ただ単に街づくりをしても人口が増えるわけではないということが、プレイを通して見えてきた。
重要なのは、最低以上のインフラと公共施設、そしてある一定以上の交通網と「葬儀システム」である。交通網の完備に関しては極端なエリア配置ミスをしなければ大渋滞によるゴミ収集車や霊柩車の凍結現象は起こりにくくなる。大体の場合、原因としてあげられるのが、工業地帯と商業地帯を行き来するトラックである。
インダストリー以降、工業や商業のモデルは簡易的なものではなくなった。工業に関しては、石油産業、鉄鋼業、牧畜業、林業がそれぞれ特化させることができ、商業エリアも有機無農薬販売店や観光エリア、娯楽エリアなどを設置することができるようになった。

これは一種の革命であり、うまく利用すれば渋滞構造を変えることもできる。方法としては、今までと同じように工業と商業エリアを隣同士にさせ、住宅街を中に挟まないというものだ。その時、商業エリアは工業地帯から生産される製品に合わせたものにした方がいい。さらに言えば、インダストリーで追加された「貯蔵庫」やユニーク製品工場にプロダクト保管されるため、そこからのアクセスがいいように商業地帯を構築するとベターである。
工業と商業は雇用を生むため、住宅街からの自動車などが見込まれ、途中の道で大渋滞が発生すると思うかもしれない。しかしこの点においては不思議なほどに渋滞は起きない。むしろ起きる部分は外部高速道路からの流入地点や、新規開発エリアの周辺、そして工業地帯とその他の地帯との隣接部などがほとんどである。
上記の点に気をつけると以外にも渋滞問題は気にするほどでもなくなる。しかし、人口50万人の都市を作り上げてくると、全く他の問題にぶち当たることとなる。それが高齢社会問題だ。まさに今の日本のような問題だと思われるが、シティーズスカイラインの高齢問題は外部高速道路からの流入のお陰で人口減に苦しむことはない。

しかし、「死んだ人を適切に建物から除去する」ことができないでいると人口が一気に現象することになる。基本的にシティスカの医療体制を完備させた場合、平均寿命は80歳前後になる。住人が高齢化し次々と息を引き取っていく段階に入ると、一週間あたりの死亡率が徐々に上がっていき、全人口の増加率はマイナスに転じる。

そこまではいいのだが、このときほとんどの老人が最初にその街に移住してきた第1世代であることが多く、第1世代は一気に生まれ街の成長を押してきたこともあり、死ぬときも一気に多数が死んでいくことになる。このとき、街中に配置されているであろう死体処理施設の霊柩車稼働台数を見てほしい。なんと、どこもだいたい一台ほどしか出ていない。
シティーズスカイラインでは週間死亡者数がリニアに増えてくことが大半だが、突然前週の数倍に死者が膨れ上がることがある。これは大体の場合、渋滞によるゴミの堆積だったり、寿命を迎え死んだ住民があふれかえることが原因である。そして、死者が増えれば霊柩車が必要になるが、圧倒的に足りないという現象が起き、かと言って街中に突然霊柩車が大挙しても大渋滞を引き起こしてしまうといったことが起きる。

死者をどかす装置が機能していないと、あらゆる住居施設に新しい住人が入ってこなくなり、市街が死骸地と化す。最終的に訪れるのは、それによって出動した霊柩車やゴミ収集車による大渋滞と、あらゆる場所で起きる住宅廃棄であり、人口は崩壊のごとく現象する。
これを避けるには、多少過剰なくらいに街中に火葬場を設置することだ。この死体処理機構がしっかりと機能すれば、高齢社会になったとしても新しい住人が住居を継ぐことができる。










