ソローン、あなたが求める答えを得るにはいろいろ手間がかかります。まずは深層意識に必要な知識を詰め込みますので少し頭痛がするかも知れませんが我慢してくださいね。
ネコが注意事項を述べながら、私の準備が出来たかを問う。
(こっちこそ、とことん問い詰めたいんだけど。ま、いっか。)
「用意はいいですか?深層学習《ディープラーニング》スタート!」
「わしゃあ、女子供が平和に暮らせる国を作りたいんよ。我が殿ならそれが出来る!わしゃあが殿をお助けする、そこでお主はわしゃあに力を貸せ!
そ、そうか力を貸してくれるんじゃな。おおっ、これで万々歳じゃあ!」
「そうじゃなあ、遠慮はいらん。わしゃあのことはこれからはヒデと呼んでくれ。 わしゃあもお主のことをジョージと呼ばせてもらうからな。
これから、よろしくなジョージ」 「ああ、ひでよ・・・いや、ヒデ。俺に出来ることなら何でも言ってくれ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ・・・・・・ こうしてマスタは後にこの国を支配するお方の友として魔導の力を揮い、国の礎を築きました。時にマスタがこの国を訪れて半年後のことでした。
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「と、殿が!? おのれ、わしゃあが殿の敵討ちに行けん。包囲した城をこのまま放置して引き返せば、後ろから攻撃されて収拾がつかんようになる。
くそ、あと七日も待てんぞな。そんな悠長なことをしておれば、憎き主君の敵首を他の者に獲られてしまうぞな。おお、なんとかならんかのぅ」
『仕方ない、これを使え』
「う、なんじゃそりゃ」
『これを燃やして城に煙が届く様に風上からな、そうすれば城の糧食と水は腐れて人が食せぬものに変わり果てる。井戸の水もな』
(まあ、風向きが変わったとて、俺の魔導で如何様にでもしてやるがな)
「おお、一日で籠城を解いて降伏しおった。さすがじゃのう!
これで、殿の敵討ちに行けるぞな!」
「おお!眼をつぶって、開けたらもう懐かしの我が城が目の前じゃ。
まっこと魔導の力は凄いのぅ、ジョージ」
『ふっ、俺に掛かれば数万の兵を移動させるなど赤子の手を捻るようなもの。
だが、ここからはお主らの脚や馬で行ってくれ。あまり、他勢力に魔導の力を知られるのはまずい。特にイエヤスとカツイエの二人にはなあ。』
「うん?何故じゃ、どちらもお味方じゃぞ」
『まあ、俺の勘をを信じろ。その二人とはいずれ闘う時が来る、故に今は力を隠すときなのだ』
「ほう、そういうもんかのう。まあジョージがいうんじゃからのう。 ま、これほどの魔導を使ってくれて疲れておることじゃろうしのう。ジョージは城でゆっくり休んでくれ」
『ヒデ、あの女は止めて置け!お前のためにならんぞ』
「こればかりはなあ、ジョージの頼みでもわしゃあ惚れとるんじゃあ」
「すまんのう、最期にもう一つ我儘を聞いてくれんかのう」
『なんだ、言ってみろ』
「わしゃあの息子を頼む。まだ五つの幼子なんじゃあ、見届けてやってくれジョージ」
『・・・・・・ わかった。大人になるまでは面倒を見よう、決して害させるようなことはせぬ。だが、成人いや二十歳を超えた後は一人の大人として扱うぞ。
これもこの子の定めだ』
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託された幼子が亡くなったのは彼が二十一歳になった頃でした。
この後、マスタは政務の第一線から退きこの領地にて錬金術の研究を始めたのでした。