zkSyncエコシステムの2022年の総括

ブロックチェーン・ジャパン
2022/12/31 08:44

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Matter Labsでは、個人の自由を高めることが、暗号分野が世界的にポジティブな変化を促進する最も効果的な方法であると確信しています。 zkSyncはその夢を実現するために、イーサリアムを拡張可能かつアクセス可能にし、大規模な自己主権を可能にするために作成されました。

「私たちの長期的なミッションは、デジタル経済への自己主権的な参加、自身のデジタル資産の真のコントロールの維持を、世界の全ての人々にもたらすことです。」Matter Labs共同創業者兼CEO Alex Gluchowski

このビジョンを実現するために、zkSync 2.0はそのエコシステムに依存しています。私たちはプロトコルの構築に尽力しますが、開発者のエコシステムの強さは、Web3コミュニティの全てのセクターによる革新的な実装にかかっています。

2022 年は暗号分野に大きな逆風が吹き、私たちの業界全体の信頼を揺るがし、投資活動を大きく減少させました。この現実は、Web3とWeb2、そして暗号と従来の金融が持つ特徴に基づいて構築されたプロトコルとそのプロジェクトの重要性を強調するものとなっています。このことは、ベンチャーキャピタルも強く認識しており、私たちは最近、2億ドルのシリーズC資金調達ラウンドを成功させています。Matter Labsのミッション主導の資金調達合計額は4億5800万ドルとなり、暗号分野の中核的な考え方を体現するプロジェクトに寄せられる強い期待感を実証するものとなっています。このようにして、私たちはWeb3の長期的な回復力と安全性をより強固なものにしていっているのです。

現在の弱気市場にもかかわらず、私たちのエコシステムは2022年に急成長を続け、現在、全ての垂直分野で300以上のプロジェクトがzkSyncの異なるバージョンでローンチを準備、または稼働しています。2023年第2四半期にzkSync 2.0のメインネットがフルアルファステージに達すると、このプロトコルは、レイヤー2史上最大のローンチエコシステムになる予定です。

「2022年に私たちがコミュニティから受けた信頼を嬉しく思っていますし、それは、これまでのレイヤー2の中で最大のローンチエコシステムを実現していることに表れています。現在、数百のプロジェクトがデプロイの意思を表明していますが、ここには他のチェーンで稼働しているトッププロジェクトの多くも含まれており、DeFi、NFT、ゲーム、アイデンティティ、プライバシー、DAOなど、幅広い分野をカバーしています。また、ユーザーと開発者の双方にWeb3体験のための最高のプロトコルを提供する主要なインフラソリューションとの重要な協力関係を確立できたことを大変誇りに思っています。」Matter Labs ビジネス開発責任者 Marco Cora

今回は、2022年にzkSyncに参加を発表したプロジェクトのいくつかを振り返ってみましょう：

DeFiの将来像

過去数週間の出来事は、分散型金融（DeFi）がWeb3空間の長期的な未来を確実にするために不可欠であることを実証するものとなっています。

実際、zkSyncのDeFiエコシステムは2022年に急速に成長し続けており、多くの主要プレーヤーが2023年のメインネットのローンチ時でのデプロイを約束しています。ここでは全てを紹介することはできませんが、過去数カ月に行われた重要な発表の一部を紹介します。

AaveはzkSync 2.0へのデプロイを発表し、創業者のStani Kulechovは、長期的な業界導入に向けたDeFiの安全性とスケーラビリティの確保を見据えています。

Uniswap v3が出したzkSync 2.0上でローンチするための提案は、7000万票以上の「賛成」を得て10月に可決され、フェアローンチアルファメインネットマイルストーンでのUniswapとの統合が期待されています。

1inchもzkSync 2.0にまもなく登場を予定しており、透明性、効率性、分散化がいかにDeFiの未来への道を開く重要な機能であるかを共同創設者のAnton Bukovが説明しています。

SushiもまもなくzkSync 2.0に登場し、その豊富なDeFiツールのコレクションと新しいレベルの柔軟性を、この成長するエコシステムに提供していく予定です。

Curve FinanceのMichael Egorovは、「zkSyncがイーサリアムのスケーリングの問題を解決した」と考えており、このプロトコル上で信頼できる、低ガスでユーザーフレンドリーなアプリケーションの構築に取り組んでいます。

私たちは、このようなプロジェクトと協力して、グローバルな暗号へのアクセスの夢をより多くの人々に届け、zkSync 2.0プラットフォームのスピード、スケーラビリティ、セキュリティの力を、DeFi空間全体でさらに多くのエンドユーザーに共有していきます。Web3の長期的なレジリエンスとセキュリティを可能にするためには、ユーザーが信頼できる分散型プロトコルで自身の金融をコントロールすることが不可欠です。

イノベーションのためのプラットフォーム構築

zkSyncエコシステムの長期的な強さの大部分は、開発者とエンドユーザーの両者がWeb3の世界と対話するための最良の場所であることを確認することにあります。

このことを念頭に置いて、私たちは、ビルダーがzkSync上で簡単にプロジェクトをローンチし、拡張できるよう、堅牢なインフラスタックを構築することに尽力してきました。これには、確立された暗号インフラストラクチャのプレーヤーと小規模なプロジェクトが含まれ、オラクルからノード、開発者ツールキットまであらゆる垂直方向にわたってzkSync 2.0のイノベーションのためのプラットフォームの提供に取り組んでいます。

この点に関して、ここ数カ月で行った主な発表には、ChainLinkがあります。ChainLinkの実績あるインフラとzkSyncのzkEVMのパワーを組み合わせることで、開発の潜在力を引き出し、今後数カ月のうちにDeFiの採用を加速させることになるでしょう。

また、Web3を従来の金融システムに簡単に接続できるように、アクセシビリティの障壁を取り除く作業も行ってきました。これにはRampによる包括的なオン／オフランピングや、Hop Protocolのロールアップからロールアップへのトークンブリッジによる他のレイヤー2とのシームレスな相互運用性などが含まれます。

私たちは、zkSync 2.0の長期的なイノベーションの実現に向けて2022年に追加された、全ての新たなソリューションに満足していますし、2023年にはさらに多くのソリューションが追加される予定です。

アクセシビリティとイノベーション

Web3の自律性へのアクセス性の向上は、2022年のzkSyncエコシステムの成長の重要な部分でした。OKXのzkSyncへのワンストップの簡易導入の実装、Hashflowの分散型取引プラットフォーム、ユーザーフレンドリーなデジタルプラットフォームJunoなど、複数の大規模ウォレットと取引所プラットフォームがzkSyncを統合しています。

2023年には、少額価値のパイロットから大規模価値のトークン化および完全なオンチェーン取引への移行が始まり、実世界資産のトークン化が引き続き多くの金融機関にとっての焦点となることが予想されています。zkSyncエコシステムは、2023年にこの分野で重要な進出を計画しており、zkSync上のDauraのトークン化プラットフォームのローンチも始まったばかりです。今後数ヶ月の間に、実世界の資産の主要なトークン化について、さらなる発表をしていく予定です。

また、プロトコルの新たなユースケースを見つける革新的なプロジェクトの誕生にも期待を寄せています。イノベーションは暗号分野の生命線であり、エンドユーザーがWeb3の世界と関わるための新しい方法を見つけることは、長期的な成功のために不可欠です。

2022年に行った発表の1つとして、世界初の主権に裏付けられたデジタルIDであるRNS.IDが、オンチェーンKYCのためのzkSyncの統合があります。パラオ共和国が支援するデジタル居住プログラムは、ユーザーに経済的自由への前例のないアクセスを与えることを目的としており、主権に裏付けられたIDの申請と発行をサポートするために開発された初のデジタルWeb3アイデンティティ・プラットフォームです。今後数ヶ月間に、さらに多くの革新的なユースケースが期待できるでしょう。

ゲームとNFTのためのプラットフォームとして

zkSync 2.0は万能ブロックチェーンであり、2022年には将来的に大きな成長が見込まれる新しいバーティカルの急速な出現も見られることが想定されます。

ゲームとNFT分野はWeb3の有望な分野であり、スケーラビリティ、相互運用性、UXの進歩、特にプロトコルのネイティブアカウント抽象化とカスタムペイマスターによって、zkSyncに自然に適合していることが分かっています。ゲームやNFTは、イーサリアムのレイヤー1を混雑させることなく、高速かつ低コストのトランザクションを必要とし、他のイーサリアムベースのアプリケーションやプロトコルとの容易な統合の恩恵を受けることができるのです。zkSyncは、Web2のUXにスマートコントラクトウォレットのセキュリティを追加することで、よりシンプルなオンボーディングエクスペリエンスをユーザーに提供します。

ゲームとNFTの両方において、2022年に40以上のプロジェクトがzkSync 2.0テストネットのローンチを進めています。2023年にzkSync 2.0をこれらの新興スペースのための自然なホームにすることを継続しながら、その成長を楽しみにしていきます。

Web3の未来を守る

セキュリティプロバイダーのネットワークも拡大し、私たちのエコシステムをサポートするためのコラボレーションが始まっています。私たちのセキュリティに対する妥協のないアプローチは、OpenZeppelin、サイバーセキュリティ企業Hackenからの監査によって後押しされ、Nexus MutualのプロトコルカバーもzkSyncに導入されました。このようなコラボレーションにより、Web3の新しいソリューションを革新する開発者とユーザーのセキュリティと安全性を、私たちのプラットフォームでサポートし続けることができるのです。

2022年のzkSyncエコシステムの成長に喜びを感じるとともに、2023年の成長の継続を期待しています。最近の資金調達ラウンドとzkSyncプロトコルの継続的な採用を考えると、来年にはさらに多くのイノベーションと採用が約束されていると言えるでしょう。

今後のzkSyncにご期待ください！