zkSync初のハイパーチェーン：Web3デリバティブ市場をターゲットとしたハイブリッド取引所『GRVT』

ブロックチェーン・ジャパン
2023/12/14 08:38

zkSync

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比類なきハイブリッド取引所の誕生

ブロックチェーンは、銀行口座を持たない人々への金融サービスの拡大や決済効率の改善、DeFiおけるイノベーションの推進まで、常に金融セクターの変革に取り組み続けています。

2020年のDeFi Summerは実験と革新の火付け役となりましたが、クリプト市場はまだDeFiの大量市場導入を待っていると言えるでしょう。

zkSyncはDeFiの自己主権とCeFiのユーザー体験を融合させた新プロジェクト、ハイブリッド分散型取引所（HEX）を発表します。Gravity(GRVT)は、自己主権型の暗号ハイブリッド取引所です。米国で一般的に知られている取引所「Robinhood」のUXに近く、かつUniswapのような分散型の自己完結型ファンドとウォレットを備えています。GRVTはZK Stackを使用したハイパーチェーンとして運用され、ハイパーブリッジを介してソブリンハイパーチェーンを含むzkSyncエコシステムで実行されている全dappに接続できます。

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ハイブリッド分散型取引所GRVTの紹介

分散型取引所（DEX）はセルフカストディと密接に関連していますが、同時に劣悪なUXの代名詞にもなっています。秘密鍵の管理やブリッジの促進、外部ソースからの預け入れの複雑さは、一般ユーザーと機関投資家の両方がより実際に採用する上で決定的な障害となっています。その点、GRVTは、安全性、シンプルさ、拡張性という3つの基本的な柱に基づいて構築されています。

GRVTのハイブリッドDEXは、自己保管型の中央集権型取引所（CEX）における新しいモデルを開拓します。自己保管によるカストディとコンポーザビリティを維持しながら、中央集権化された金融体験を提供することで、Web3 UXに関連する複雑さを排除します。

利用者のセキュリティとカストディの懸念におけるリスクの増大は、よりソブリンなセキュリティ特性の必要性を明白にしています。

ZkSyncのフラクタル・ハイパーチェーン・ネットワークのセキュリティ、スケーラビリティ、コンポーザブル機能を活用しながら、中央集権型取引所のユーザーが慣れ親しんでいるような使いやすさを提供します。

現在DEXで見られる良いとは言えないUXだけでなく、取引の執行速度やデータ・プライバシーの保証など、対処が必要なボトルネックも存在しています。

「機関投資家と個人投資家の双方に貢献できる取引所を作るため、スケーラビリティ、オンチェーンでのデータ・プライバシー、セルフ・カストディのサポート、迅速な決済と清算のための高いTPS、最高レベルのセキュリティに重点を置いています。こうした要求を満たすには、特にオプションと永久先物取引において、計算集約的で困難が伴います。プライベート・アプリ・チェーンとして機能するzkSyncのハイパーチェーンは、全ての基準にシームレスに対応する理想的なソリューションとなっています。」
- GRVT 最高技術責任者 Aaron Ong

ZK Stackの活用で毎秒60万件の取引を実現

ZK Stackは、zkSync Eraのオープンソースコードをベースに、ZKを搭載したカスタムL2およびL3（ハイパーチェーン）を構築するために設計された、無償のモジュール式オープンソースフレームワークです。

GitHub - matter-labs/zksync-era: zkSync era
zkSync era. Contribute to matter-labs/zksync-era development by creating an account on GitHub.github.com

コアとなるZK Stackは、主権とシームレスな接続性という2つの主要機能を提供します。構築側は、コードに対する完全な権利を所有して、チェーンのあらゆる側面をカスタマイズし形成するための無制限の自律性を享受できます。

ハイパーチェーンは異なるブロックチェーンの集合体であり、それぞれが独自のテーマを持っています。ユーザーは使いたいハイパーチェーンを選び、シームレスに相互運用することができるのです。

ハイパーチェーンの紹介
価値のインターネットを支えるアーキテクチャmedium.com

ZK Stackは、企業、Web2プラットフォーム、機関、伝統的な金融が暗号エコシステムに参入するための入口となります。そのカスタマイズ性とモジュール性の高さによって、各チェーンが共有プローバとフラクタル・スケーリングによって駆動され、以前では考えられなかったようなイノベーションへの扉が開かれます。

GRVTがハイパーチェーンの活用を決定したのは、ユーザーのセルフカストディ能力を維持しつつ、高スループット、低レイテンシー、CeFiのようなUXを求めるニーズによるものです。

ハイパーチェーンによって、GRVTは以下を実現できます：

カスタム・シーケンス・ロジック用のプライベート・アプリ・チェーン（ハイパーチェーン）を構築することで、取引を決定論的に清算し、より高いTPSと低遅延の取引決済および清算を実現できる。
複数の相互運用可能なハイパーチェーンにまたがる基盤インフラを水平方向に拡張して、従来のマーケットマーカーがCEXのように流動性を提供できる。
ハイパーチェーンの極めて低いガス料金を活用することで、ガス不要の取引を可能にする。
広範なウォレットプロバイダーへのアクセスを強化する。
複雑なビジネスロジックやデリバティブ取引のリスクスキャンなど、計算集約的なタスクを処理する一方で、透明で公平な取引条件を維持するために分散化を確保する。

カスタム・シーケンス・ロジックによって、GRVTはCEXのような高スループットと低レイテンシーを実現できます。一方で、GRVTのインフラを水平方向に拡張する方法の一例として、異なるオーダーブックを専用のアプリ・チェーンとして実行することが挙げられ、1秒当たり最大60万件の取引を2ミリ秒未満のレイテンシで実現することが期待されています。

従来のAMMスタイルのDEXの主な問題の一つは、従来のマーケットメーカーがCEXのように流動性を提供できないことにあります。

一方、証拠金残高や清算などの機密情報は、プライベートなハイパーチェーン上のValidiumを活用することで隠すことができます。このアプローチでは、取引データをオフチェーンで保存し、ブロックチェーンに追加する前に暗号化することによって、フロントランニングや市場操作からユーザーを保護できます。

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新しい価値のインターネット

伝統的な金融の世界がオンチェーン化するためには、暗号エコシステムは既存のソリューションの改良版以上のものに目を向ける必要があります。大量導入は、イノベーションと新たなユースケースによってもたらされるものです。ZK Stackで構築して、ハイパーチェーンとして展開するというGRVTの選択は、ZKネイションにエキサイティングな追加となります。

新たなチームによるZK Stackの利用が増加し続ける中で、私たちはゼロ知識技術がインターネットを再形成し、デジタル自己所有権をすべての人に普遍的に無料で提供するための基本原則を定めようとしています。