遺伝病を治療するRNAi治療法の米国FDA認可(2018.8.10)


まずRNAとは

RNAはDNAからコピーして作られる1本の鎖状の分子である。

遺伝子はDNA→RNA→タンパク質と情報が伝わって効果を発動する。

そこで病気の原因となる遺伝子に対して、そのRNAの機能を止めることで病気を治そうとする試みがある。



RNAiとは

RNAの特徴を利用して遺伝子, タンパク質が作られるのを阻止しようとする技術である。

RNAは2本鎖を形成すると分解される仕組みが生物にはある。

この機構を利用して特定の遺伝子のRNA配列に対応したRNAを導入することで、その遺伝子をストップさせる技術がある。

それがRNAiである。

このRNAiの技術は2006年にノーベル生理学・医学賞を受賞している。

RNAiを利用した治療法の開発は難しかった。

なぜなら、入れたRNAが体内を移動する間に分解されてしまったり、患部に届く前に別の部分で作用してしまう問題があったからだ。

ミクロな実験で使用する培養細胞であれば注射や細胞のRNA生成機構を利用してテストできるが、実際の生物で使用、特に医薬品としてしようするとなると難度が高い。

これらの問題を解決するためにも、薬剤を患部に直接届けるDDS(ドラッグデリバリーシステム)の開発が行われている。


今回の技術

今回米国FDAで承認されたRNAi利用治療薬patisiran(商品名:ONPATTRO)はsanofi(フランス)とAlnylam(アメリカ)によって開発された。

標的は「トランスサイレチン型家族性(hATTR)アミロイドーシス」。

肝臓で発症し心臓や神経などに作用する致死性のある病気である。

この病気は(家族性とあることからも察せられるが)遺伝する病気であり、遺伝子治療の標的のひとつである。

DDSとしての脂質ナノ粒子の開発と静脈注射による治療実験が認められた結果である。


副作用

ビタミンAが欠乏気味になるかもしれない
原因:標的の遺伝子がビタミンAを輸送するタンパク質であるため


アミロイドーシス(Amyloidosis)とは

「アミロイド」と呼ばれる蛋白が全身の臓器の細胞外に沈着する疾患。(by Wikipedia)

病因

複数のタンパク質による複合体形成時にパーツが足りなくてβシートみたいな疎水的な部分が凝集し、タンパク質分解を逃れ、固まり、細胞外に沈着した場合に生じる。
特定のタンパク質構造=アミノ酸配列=DNA配列, 遺伝子で生じやすいため遺伝子治療の標的となる。
(by Wikipedia 意訳)

hATTR Amyloidosis

世界では5万人が罹患しているようである。
心筋症などを併発することで余命が4~5年ぐらいになる。


他国での動向

日本でも承認申請を2018.9.27に出している

EUでは2018.8.30に承認を得ている


参考文献



公開日:2018/11/04
獲得ALIS:22.63
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  • cryptak
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ブログは気が向いたら書く程度三日坊主の達人 バイオ系語らせるとうるさいらしい TwitterID:@myjob_memo
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  • kobsap
  • 6ヶ月前

うわぁ〜 さっぱりわからないです 汗
そもそもの遺伝病が何んなのか?
例えば 遺伝的に腎臓病の家系でリアル患っていたら このRNAi治療薬を直接腎臓に投与することですかね?お腹切って手術で?

難しいです。。。

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