カルギルの街を早朝5時に出発してザンスカールの街パドゥムに向かいます。
約11時間強の道のり。
スル川という川沿いの渓谷を車窓から眺めながら進んでいきます。
峠もいくつか越えていきます。
途中広大な氷河が多くあります。
氷の塊ですが年に数センチの速さで流れているそうです。そして氷河の中から時々隕石も見つかるそうです。
自然の広大さに圧倒されます。
途中小さな村が点々とありますがカルギルから出発してしばらくはイスラムの村が続いていきます。
やがて最初の仏教寺院、ランドゥム寺院が現れます。
この辺りがイスラム教徒の地域と仏教徒の地域の中間地点あたります。
実はこのお寺には悲しい歴史があります。
2000年に、この寺院の僧侶3名がイスラム武装勢力に殺害されました。
それ以来このお寺の横にインド軍の監視ポストが建てられました。
寺院の右下にある建物がそれです。
さらに進むと大きなトラックが横転していました。
本当に車1台くらいがギリギリ通れる道が続きます。しかもガタガタ道なのでどこでこういった事故が起こってもおかしくない状態です。
荷台からはガスのタンクが散乱していました。
爆発しなければいいのですが。
近くの岩の上では運転手さんが呆然とした様子で座っていました。
この地域の道はほとんどが崖沿いの道ですが、横転した場所は崖沿いの道ではなかったので、崖に落下しないで助かっていました。
唯一不幸中の幸いだと思います。
やがて夕方前にパドゥムに到着しました。
ラダックとは異なりザンスカールは観光客も極端に少なく、昔ながらの生活がそのまま残っている地域でした。
パドゥムでの3泊は地元の人のお宅にホームステイさせてもらいました。
ザンスカールの家はどこもとても大きく広いです。その中に大家族が住んでいます。
これは大麦の粉をバター茶で練ったものです。ザンスカール人のソールフード。
到着するとすぐに出してくれたのですが、あまりたくさんは食べられませんでした。
イメージしていた通りの素朴な家族が住んでいました。
みんな超いい感じです。
夕食も素朴。ご飯に人参とジャガイモ、玉ねぎの炒め物が載っています。
薄いカレー味。シンプルだけどとっても美味しい。ご飯をお代わりしてしまいました。
このお家のおばあちゃんがすごくいい雰囲気でした。
ほとんどの時間居間の角に座っているだけですが、この家の雰囲気を作り出している感じです。
全く言葉はわからないのですが、ずーっとザンスカール語で自分に話しかけてくれました。
そしてなぜか時々手を合わせて拝まれてしまいました。
しょうがないので手を合わせて拝み返してコミュニケーションを取っていました。
本当に信心深いおばあちゃん。
ずーっと数珠の玉を数えながら一日を過ごしています。
そして猫ちゃんもいました。
自分を見つけると一直線にやってきて、あぐらをかいた足の上に乗ってきて、まるくなってゴロゴロ言っていました。
ザンスカール滞在中、家にいるときはずっとこの猫ちゃんと過ごしていました🐈
ザンスカールは山に囲まれた大平原。その中に小さな村が点在していて、必ず寺院があると言った感じです。
この後の二日間はザンスカールの寺院をひたすら巡りました。