以前カンボジアの遺跡アンコールワットについて紹介しました。
アンコールワットはカンボジアの遺跡やクメール芸術の素晴らしさを堪能できる遺跡です。
ですがそれ以上に魅力的な遺跡がカンボジアにはあります。
それは ”ベンメリア” と呼ばれている遺跡。
個人的には一番好きな遺跡です。
アンコールワット以前の11世紀に建立されたヒンドゥー寺院ですが、仏教の影響も多く見られる遺跡です。
一説ではアンコールワット建立前の試作的な寺院ではないかと言われていますが、誰が建立したのかなどの詳細はわかっていません。
遺跡の構造もアンコールワットと類似していて、メール山を表す中心の仏塔を中心に同心形に広がる立体曼荼羅形式です。
いまだに多くの謎に包まれている遺跡です。
発見された当初は地雷がまだ設置されていて立ち入り禁止でした。
その後ポルポトの残党も一掃され、地雷除去が進んだことで一般に公開されました。しかしアンコールワットのように観光地として整備されていないために、いまだに発見された状態のままの遺跡を楽しむことができます。
アンコールワットからかなり距離が離れていて、さらに森の中に位置しているため、この遺跡を訪れる観光客はまだ多くはありません。
遺跡の入り口にはナーガ(水の神様の龍神)の像がありました。
遺跡へと通じる道の両脇は沼地になっています。
遺跡が崩壊した隙間から木々が縦横無尽に育っています。
遺跡の側面にも木の根が張り巡らされていて歴史の深さを感じさせてくれます。
体格のいいお坊さんが遺跡で休憩していました。
自分も今まで3回くらいこの遺跡を訪れたのですが、毎回遺跡に座ってのんびり座ったり瞑想をしたりして遺跡の空気感を体感します。
このお坊さんも同じような気分なのかもしれません。
遺跡の中ほどにある大木です。
遺跡から空に向かって突き抜けるような迫力がありました。
湿った地面には蝶が水を飲みに集まってきます。
亀のレリーフもありました。
カンボジアの遺跡には水の生き物が多く登場しますが、これはアンコール文明の繁栄の基盤になったトンレサップ湖の恵みを讃えているものです。
女神アプサラのレリーフ
色々な抜け道や抜け穴、空洞が遺跡中に張り巡らされているので、非常に探検のしがいがある遺跡です。
遺跡の廃墟から木が生えたり、苔が生い茂っている様子が本当に美しく、秘境感満点です。
一説では "天空の城ラピュタ" のモデルになっているのではないかという噂もあります。
ベンメリアのそばにロリュオス遺跡群という小遺跡が集まった地域があります。
遺跡のインパクトはそれほどでもないのですが、空の美しさが印象に残っています。
パワフルな空に向かって狛犬?が佇んでいる様子がとても好きでした。