前回の瞑想日記で、全ての気象現象は対流圏で発生し、成層圏に雲は発生しないと書きました。
ですが成層圏で雲が発生するケースが例外的に2つあるのだそうです。
そのうちひとつはチベット高原に発達する雲。
通常は対流圏の最上部が、抵抗線となっていて上昇気流はそれより上には行けず、雲の上限はこの対流圏と成層圏の境目になります。
しかしチベット高原では上昇気流が対流圏の最上部を超えて、成層圏の下層まで侵入して、雲の上部が成層圏まで入り込むことがあるのだそうです。
以前、大学院で気象学を専攻していた友人がいました。
彼はチベットに調査に行き、この成層圏で発生する雲の観測を行いました。
彼はお土産にチベットの仏画とマニ車を買ってきてくれました。
マニ車とは、小さな筒状のものにお経が書いた紙が入っていて、それをグルグル回すとお経を唱えるのと同じくらいのご利益があると考えられているものです。
この写真の女性が持っているのがマニ車です。
この時の自分は、あまり瞑想やチベットなんかに興味がなかったので、お土産をもらってもそれほど嬉しくはなかったのですが。
しかしこの頃からなんとなくチベットに興味が湧いてきたのかもしれません。
チベットでは僧侶はもちろん、一般の人たちにも瞑想は浸透しています。
彼らは、自分たちの意識を日常的な混沌に巻き込まれないように、一歩高い位置から日々の出来事や自分の感情を俯瞰し、つねに周囲の出来事やそれに対する感情的な反応に一定の距離を置くことを意図して瞑想しています。
前回の瞑想日記の表現を使うと、意識の対流圏を抜け出して、成層圏に意識を置きながら状況を俯瞰できるようにするためです。
今考えてみると、多くの人々の意識が対流圏の上限を突破して、意識の成層圏まで達しているチベットという土地において、実際に成層圏にまで雲の上限が達しているというのは、とても興味深いシンクロのような感じがします。
友人からお土産をもらって数年後には自分もチベットに興味を持ち、実際に旅をすることになりました。
ちょうどその時期くらいから瞑想などにも興味が湧いてきたのも面白いタイミングだと思います😊
さらに、もうひとつ成層圏に現れる雲があります。
それは真珠母雲と呼ばれるもの。
遥か成層圏の上空で真珠をつくるアコヤガイの殻のような美しい虹色をしている雲だそうです。
主に高緯度地帯で見られる現象です。
この真珠母雲、対流圏で現れる気象現象とは全く異質の美しい現象です。
普段自分たちが慣れ親しんでいる対流圏の常識では全く測れないような現実が成層圏では生じています。
意識においても、普段慣れ親しんだ対流圏の重力圏を抜けて、成層圏という領域を少しでも垣間見ることによって全く想像もつかない現実が展開されていくのかもしれません。
自分はまだこの真珠母雲というものを見たことがありません。
しかしチェンマイで一度だけ不思議な虹色の雲に遭遇したことがありました。
真珠母雲は高緯度で現れる雲なので、おそらくチェンマイに現れたのは違った種類のものだとは思います。
しかしこの雲に遭遇した時に、なにかただならない気配(ゾクゾクした感覚)を空に感じて、思わず空を見上げた先に美しい虹色の雲がありました。
今から振り返ってもこの雲に出会った時のゾクゾクした感覚は体に染み付いています😊