ふと自分の人生は自分のものかと疑いたくなる時があります。でも、あなたの行動そして、交友関係があなたを創造しているといってもいいのです。そして、あなたは誰かの脇役やエキストラにはなっていませんか。そんなことを考えてしまった作品をご紹介します。
今、ゲームのような世界にいるあなたに2020年8月13日公開『フリーガイ』。
そう彼こそは、ゲームの世界でいうモブキャラだ。若者言葉の「モブキャラ」とは、ゲームの世界の中で、物語を彩る背景のようなキャラクターのことである。つまりこのキャラクターは、本来意思もなければ、感情もないロボットのように決まったことをやるコントロールされた存在なのだ。
しかし、この映画のキャラクターはほかでもなく意思をもってしまった。持ってしまったというほど、想定外なのである。おっと、それ以上は今回やめておこう。
さて、この映画には、あらゆる作品のパロディが含まれている。もちろん、日本のゲームキャラクターやゲーム会社をモジったところもたくさんあるのでぜひ探してほしい。
そして、完全にただの娯楽映画だけだと思ったらこの映画を見てハッとさせられてしまう。そう、彼はモブキャラ。いつも毎日同じ行動をして、同じ一日を過ごす。何度も何度も同じ生活をしているうちに、同じ生活を受け入れ、同じ生活であること以上は、なにも考えなくなってしまう。
では、あなたは、毎日同じ生活をしているうちに、コントロールを誰にもされていない存在なのに、何かに服従していないだろうか。同じことに疑問を抱くことを忘れていないだろうか。あなたは、モブキャラに自らなっていないだろうか。
あなたの人生は、あなたのものであり続けているだろうか。
そう思わせてくれる映画は、他にもある。そう、逆に主人公なパターンだって1998年6月5日(アメリカ)公開『トゥルーマン・ショー』。
生まれたときからずっと誰かに見られ続けている主人公の話だが。これも、人生における可能性について問いかける。いつも同じ世界で生きていることが決して不幸なわけではない。しかし、いつもの生活に疲弊したあなたには、考え直すことも選択肢としてあることを教えてくれる。
あなたが、いる世界は、テレビの中でもなければ、ゲームの中でもない。ましてや、映画のなかになんてあるはずがない。そう、誰もシナリオを書いてくれない。あなたが、紡ぐ物語をあなたが彩り演出すること。それが、「人生」という物語なのではないか。
誰も教えてくれないことは、映画が教えてくれる。
それでは、それでは。