明治安田生命保険は2020年7月7日、0歳から6歳までの子どもがいる既婚男女への外出自粛規制(ステイホーム)中の子育てに関する意識の変化についてアンケート調査結果を発表しました。調査結果は「ステイホーム期間が夫の子育てに好影響!一方、妻は子育てへのストレスが増加!?」とまとめています(「明治安田生命 コロナ禍における子育て世帯への緊急アンケート調査を実施!」2020年7月7日)。
この調査ではテレワークについては以下のようにまとめています。「子育て世帯全体でのテレワーク実施者のうち、約9割が今後もテレワークを望む!一方、テレワークをした夫をもつ専業主婦の約4人に 1 人は、夫のテレワークを望まず」。多くの人がテレワークを希望していることが分かります。
https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2020/pdf/20200707_01.pdf
「専業主婦の約4人に 1 人は、夫のテレワークを望まず」はデータの評価として公正さが議論される表現です。逆に言えば4人に3人が肯定的または中立的ということであり、専業主婦の多数もテレワークに理解を示すという評価が自然です。調査者に理解を示すならば、この調査は子育てをテーマとしており、夫と妻のギャップを明らかにしたかったために「専業主婦の約4人に 1 人は、夫のテレワークを望まず」との表現になったと考えられます。
ところが、この調査結果についてNHKは7月24日に「専業主婦の4人に1人 夫の在宅勤務「望まない」 研究機関の調査」との見出しで報道しました。この記事はNHKのサイトのソーシャルランキングで10時30分現在1位になるほどの反響があります。
見出しだけを読むと在宅勤務に否定的な印象を与えます。本文は「在宅勤務の状況について尋ねたところ、在宅勤務を行った男女のうち89%が「今後も行いたい」と答えています」と在宅勤務に肯定的な結果も取り上げています。それだけに見出しの切り取り方が残念です。
調査結果の「4人に 1 人」も議論のある表現ですが、調査結果はポジティブとネガティブを並べてまとめています。それなのにNHKはネガティブのみを見出しにしました。昭和の対面コミュニケーション至上主義を復権させたくて仕方がないバイアスが報道にあるのでしょうか。
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