米国調査会社のGartnerが2021年4月1日のエイプリルフールに『Star Wars』の銀河帝国の技術力の調査結果を発表しました(Gartner completes its largest review of technology capability in the galaxy.)。銀河帝国には技術的な欠陥が大きく、機能していることが奇跡とまで述べています。「Gartner says it's a miracle the Empire can work at all.」
銀河帝国の技術は20世紀末の地方の保険代理店レベルであり、歯ブラシのようなコムリンクで会話するものの、文書をリアルタイムで送信することはできません。帝国は文書で記録するという文化が欠けています。これはアカウンタビリティ(説明責任)の欠如になります。これは帝国がデススターを2度も失った原因になります。
これは20世紀のSFの限界と言えるでしょう。21世紀にはインターネットが普及し、デジタルデータを即時にやり取りできるようになりました。マネジメントやガバナンスの仕組みも精緻化されました。21世紀の現実が20世紀の空想科学を追い越しました。
勿論、銀河帝国はワープする宇宙船など21世紀の科学よりも進んでいる点もあります。これをGartnerは選択の問題としています。「They decided against building wireless technology in favor of hyperdrives and faster than light travel.」。無線通信とハイパードライブをトレードオフの関係に位置付けます。
20世紀の頃は21世紀になるともっと宇宙旅行が身近になると想像していたものです。しかし、人類は未だに二度目の月面着陸をしていません。代わりにデジタル技術の進歩は著しいです。科学技術の発展には特定の方向性があると言えるでしょう。
銀河帝国の技術に否定的なGartnerですが、唯一AT-ATを評価します。「AT-AT helps us walk around the diversity of advanced civilizations」。AT-ATは4脚式戦闘用ウォーカーです。足を使った歩行で移動するため、機動力に欠けます。足が長く、バランスが悪そうで、容易に転倒しそうです。兵器として効率的とは思えませんが、地球からは想像もできないような様々な惑星の多様な環境を歩き回る上では向いているかもしれません。ダイバーシティは20世紀的な工業社会の効率性では測れません。
スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け
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