アニメ『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』第九話「霞柱・時透無一郎」が2023年6月4日に放送されました。時透無一郎が上弦の伍・玉壺と戦います。『遊郭編』の上限の鬼は柱を含む複数人の剣士で倒しました。これに比べると無一郎はほぼ独力で倒しており、天才に相応しい存在です。厳密には小鉄の助力を得ていますが、小鉄は剣士ではありません。また、無一郎がピンチに陥ったのは小鉄を庇ったためでした。この点で独力と言って良いでしょう。
この後も上限の鬼との戦いは柱を含む複数人の剣士で倒すことが基本です。しかし、完全に独力で上限の鬼を倒す剣士が一人います。無一郎以上の天才となりますが、天才イメージとはギャップがあります。
『鬼滅の刃』は「日本一慈しい鬼退治」とのキャッチコピーがあります。竈門炭治郎が鬼を倒すと悲しい物語が描かれ、炭治郎は情を持って接しました。無一郎にはそのような要素はありません。刀鍛冶の里編は『鬼滅の刃』の中で異質さがありますが、その一つの理由になるでしょう。
戦闘後の無一郎は満身創痍の状態ですが、「大丈夫」と言います。明らかに大丈夫ではないのに大丈夫と言っています。明らかに無理をしています。それよりは久保帯人『BLEACH―ブリーチ― 50』(集英社、2011年)の毒ヶ峰リルカが清々しいです。リルカは「大丈夫か」と問われて、「大丈夫じゃないわよ」と答えます。
『どうする家康』第18回「真・三方ヶ原合戦」大丈夫は大丈夫ではない
刀鍛冶の里編の異質さは我妻善逸と嘴平伊之助が登場しないことです。この二人は登場当初は騒々しくて話が進まず、じれったさを感じましたが、逆に出ないと寂しくなりました。そのためか善逸はアバンの「双六大好き善逸の今日の一振り!」に登場します。視聴者の人気を反映しています。
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