ステレオタイピングとは、「有能な人を思い描くだけでも人間のパフォーマンスはアップする」という現象を指す言葉です。
優秀な人間のイメージを頭に浮かべるだけで、私たちはそのキャラクターに沿った行動をとりやすくなるのです。タスクに取り掛かる前に15〜30秒ほど時間を取り、誰か有能な人間の姿を思い描いてみてください。
ジョブ・チェンジングとは、仕事のモチベーションを高めるために、組織心理学の世界で考案された技法です。やり方は非常にシンプルで、問題のタスクに対して、自分に新たな「肩書き」をつける。
指示セルフトークとは、昔からスポーツの世界で集中力アップの為に使われてきたテクニックです。名前の通り「独り言」を使って集中力アップを狙う技法です。例えば、筋トレでスクワットの集中力を高めたい場合には、脳内で次のようにつぶやきます。
「バーベルは肩にしっかり載ったか?膝の角度に気をつけろ!太ももの筋肉をちゃんと意識するんだ!」
・勉強に使う場合「いま自分の勉強が止まったのは、どこがわからなくなったからだ?問題を解く違うアプローチを考えてみる!どうしてもわからないままなら次の問題に移れ!」
・仕事に使う場合「この書類をもっと楽にこなすために、他に使えそうなリソースは探せないか?」取り組んでいる情報の中、本当に重要なものを見抜くように努力するんだ!」
ピアプレッシャーとは、直訳すれば「仲間からの圧力」のことで、あなたの友人が職場の同僚などから感じる心理的な圧迫感を意味します。
「平均して私たちの生産性の10%以上は隣の席に座る人間の質で決まる」要するに、できる人間に近づけばあなたも出来る人間になり、周囲の生産性が低ければあなたの生産性も下がってしまうわけです。
・熱心に勉強する人たちが集うカフェに行く
・同じ目標を持つ人たちがしのぎを削るコミュニティに参加する
・会社のないのハイパフォーマーと友人になる
必要になってくるのは「自己を観る」能力です。あなたの感情を正しくコントロールするには、自分をじっくりと観つめる作業が欠かせません。
マイクロソフトの研究によれば、 私たちは平均で40秒に1回のペースで何かに気を取られ、 その度に、「感情」との戦いを強いられています。 もしその戦いに負けてしまえば、あなたの集中力が元に戻るのに必要な時間をおよそ20分超で 、これほど無駄な時間はありません。
デタッチド・マインドフルネス
獣の衝動をやり過ごそう!
「自己を観る」能力とは、具体的には以下のようなスキルが発動した状態を意味します。
・状況:「仕事をしていたら、 ふとスマホのゲームで遊びたくなった」
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スキル発動:「『あ、また獣が目先の楽しみにひか引っかかって自分を操ろうとしてるな・・・。とりあえずほっといて5分だけ仕事を続けてみよう』と考えて、元の作業に戻れた」
・仕事をする時は、今朝見たニュースや昼飯のことなどを考えず、ひたすら作業だけに取り組む
「デタッチド」は、「分離」や「切り離す」などの意味を持つ単語で、ここでは思考と感情から距離を置く行為を指します。「 遊びたい」や「めんどくさい」といった感情に巻き込まれず、調教師が一歩引いた視点から観察を続ける状態のことです。
「デタッチド・マインドフルネス」を一言で表せば、
・思考や感情から距離を置いて、ひたすら観察に徹する行為
近年の研究によれば、スマホの通知で私たちの集中力が切れるまでの時間はたったの2.8秒。通知ポップアップを見た直後からあなたの認知機能は低下し、作業効率はなんと半分にまで下がってしまいます。
レオナルドダヴィンチの言葉にもある通り「仕事にへばりつく人間は判断力を失う」
「もしも感情が物体だったら?」と想像しつつ、そのイメージを科学者のように見つめるのがこのテクニックのポイントです。うまくイメージできない時は、以下のような質問を自分に投げかけてみてください。
・その感情はどのような色をしているだろうか?
・その感情のサイズは?豆ぐらい?テニスボールサイズ?ビールぐらい?
・その感情は、 自分の体内のどのあたりに位置しているだろうか?どれぐらいのスペースをとっているだろうか?
・その感情に触ったら、どのような感触がするだろうか?固い?柔らかい?ザラザラか?なめらか?
・その感情はどれぐらいの温かさだろうか?熱い?冷たい?室温?
・その感情に動きはあるだろうか?振動している?静止している?脈打っている?動いているとすれば、どれぐらいのスピードだろうか?
このトレーニングもまた、長く続けるほど獣の反応に対する理解が深まります。
「作業にちょっと詰まると、獣はいつもネットに目を向けさせようとするなぁ。。。」
や「どんな仕事をしていても、1時間ぐらいで獣が食欲をぶつけてくるな。。。」
といったように、 注意散漫が起きやすいタイミングや状況がつかめていくのです。
無理に感情を抑えつけようとすると、獣は逆に激しく抵抗する性質を持っています。ただ感情の波を採点し続け、獣の支配力が衰えるのを待つのが「自分を観る」際の最重要ポイントです。退屈で勉強を止めたくなったらその感情を採点してまた淡々と勉強に戻り、仕事が難しくてイライラしたならその感情を採点してまた淡々と仕事に戻る。
何度も繰り返すうちに調教師が感情から距離を取る能力を身につけます
一旦このスキルが備わるば、集中力が切れそうな状況でも「これはいつもの退屈だな」や「またおなじみのイライラが出てきたな」といった余裕が生まれ、前よりも簡単に注意を戻せるようになるはずです。
「セルフ・イメージング」 とは、自分の失敗をクヨクヨと悩んでいるときや、ネガティブ思考に取り憑かれてうまく集中できない場合などで効果的なテクニックです 。
具体例
・失敗を悩んでいる自分に対して、友人が思いやりと理解を持ってアドバイスをしてきたところを想像する
・その友人がどんな言葉をかけてきたかを細かく思い描き、紙に書き出す
「マイクロブレイク」とは、数十秒から数分の休憩を細かく取る手法です。もっと長く休めるならそれに越したことはないものの、 どうしても長時間の休憩が取れない時は、せめてマイクロブレイクを実践すること。
ある研究では、被験者に PC のモニターを見つめ続ける作業を指示して、その合間にたった40秒だけ花と緑が映し出された自然の写真を見せたところ、作業への集中力が高いレベルで維持され、タスクのエラー率も大きく減ったとのこと。
*集中力を具体的に高めるテクニックが知れる
*すべてのテクニックに科学的な根拠が示されている
*今から実践するための手順が分かるようになる