1.2年ほど前から芸術について考えつづけているのですが、先日歌舞伎をみたことで点と点がつながり、そのうちの伝統と歴史について自分なりのまとまりがあったのでそれを備忘録に書きます。
歌舞伎は400年前ほどから始まり、さまざまな影響を与え、または受けて発展してきたものです。
女性のみのスタイルで始まり、政府にそれを禁止にされ、今度は美少年のみで作るもまた禁止、そして野郎のみで作りそして今の形になったのだそうです。
伝統というと昔のスタイルを変えずにやり続ける印象ですが、そもそも歌舞伎は当時の最先端を吸収しつづけて今に至ってるのです。
そして僕がみた演目はどれも明治後期から大正に作られたものでした。下記の歌舞伎のステレオタイプの連獅子も明治の作品です。
ワンピースやナウシカなど歌舞伎になったりする昨今、決して江戸の古典のみをするのが伝統ではなく、最先端を吸収し続けて、削ぎ落とされ今現在も進化を重ねているものこそ伝統なのだなと感じました。
歴史を学ぶことは多いのですが、歴史自体がアートを作ることありません。そこでなぜ歴史を重んじるのだろうと思った時にリファレンスの意味がとても高いと思いました。
今の僕の頭のまとまりでは、誰でもアーティストになれる今、「文脈が芸術に大事」というのが今のところの考えです。(これは後日書きたいと思います…)
そこで文脈を知るには歴史を参照するしか方法はありません。だから歴史をできるだけ残すのは貴重なのだと思いました。
最近よく食べ歩きをします。これは以前に書いた美術館で絵を見てその反応を自分で考える、という味覚版です。
せっかく食事するなら少しでも珍しいものをと回ってます。
そこで活躍するのがミシュランのビブグルマン。
これは6000円以下のミシュランおすすめのお店のカテゴリーです。
これにはラーメン、カレー、居酒屋も含まれたりして普段使いの金額と変わらずに食べれたりもします。
食べ歩きを始めた時に美味しんぼに出てきたお店にも行ったりもしました。例えばお蕎麦屋さん。
美味しんぼに載っていた蕎麦屋は江戸からの味を大事にしているお店。食べると今の現代のつゆとは違い、辛く、少し酸っぱいような味でびっくりしました。
(美味しんぼに出てきた蕎麦屋の天そば)
100年以上人気が続いてるお店、それは一度でも食べる価値はあると思います。
蕎麦で新しいことをしようと参考にまず昔の味を知るには、このお店や数店舗しかないかもしれません。
この蕎麦屋では歴史=リファレンスポイントとしてとても重要な蕎麦という意味と感じました。
一方でミシュランのビブグルマンのお店には創業が長いお店もありますが、新しいお店もあります。
(ミシュランビブグルマンの蕎麦屋のそば。盛合わせ)
こちらは歴史を学んだ上でさらにあなたにしかできない新しいことは何?と問いかけているかのように、その時に何か工夫されているものが多いです。
逆にリファレンスするのには向かないかもしれません。
二つの違いというには大げさかもしれませんが、蕎麦屋さんを比べるとそう感じました。
何が美味しい、何がカッコ良い、何が良い音楽、そんな話に花を咲かせる時もあります。その時に伝統=進化としての視点で話すのか、歴史=リファレンスの視点で話すのか。
二つは表裏一体であるけれども現在地点で話すとやはり別物。その二つの上に出来上がるのは変わり続けることという本質。
二つを整理して捉えるとすれ違いや物事の整理、アウトプットや表現に良いなと思ったので書いておこうと思った今日この頃でした。