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51%攻撃が起きる原因とその影響の考察

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  • jona
  • 2018/05/27 12:29


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jonaです。

51%攻撃されるというニュースがここ最近よく見るので、それによってどうなるのか、なぜ起きるのかを自分の考えの備忘録もかねてまとめてみたいと思います。(文章多めです)

目次

●51%攻撃とは?

●51%攻撃によって何が起きるか?

●なぜ51%攻撃が起きるのか?

●最後に

●まとめ

●51%攻撃とは?

51%攻撃とは、仮想通貨上での不正取引の一種です。

簡単に言えば二重支払いが可能になってしまいます。

例として、1BTC払ったはずなのに使用してないかのように改ざんして再度使用する事が可能になるということです。

51%攻撃は過去の取引を改ざんする行為です。特定のグループまたは個人が全体のハッシュパワー(ブロックを作る速度だと自分なりに解釈しています。おそらく正確な意味ではないです)の51%以上の力を持つと他者よりも早くブロックを生成できるようになります。

以下に簡単な図と例を示します。Alanは1BTC持っており、ハッシュパワーを51%以上持っていると仮定しましょう。

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①Alanは1BTCを売却するとその取引内容がブロックに記録されます。そして出金をします(青のブロック)。実際に現金が銀行に振り込まれるでしょう。

➁次に出金が完了した時点でAlanが売却した取引内容が入ったブロックの一つ前のブロックからAlanが売却しなかった場合のブロックを生成し、分岐させます(赤のブロック5)。このブロック中の情報ではAlanは売却していないことになっているのでデータ上は1BTC持っているままになります。

③Alanが最も早くブロックを生成可能なため、Alanは分岐させたブロックをマイニングすることでAlanが売却していない状態を最も長いチェーンにすることが可能です(ブロックチェーンの性質上、最も長いチェーンが正しいとされています)。これによって最初の青のブロックで出金されたにも関わらず、赤のブロックが正しくなってしまったためにAlanは1BTCを持っている状態に改ざんされています。これによって二重支払いが可能となってしまいます。

●51%攻撃によって何が起きるのか?


結論から言えば以下の三つが考えられます。

①コインの信用と価値が失われる。

➁取引所が破綻。

③インフレを加速させる(可能性は低いですが)。


①は説明の必要がないかもしれませんが、51%攻撃によるデータ改ざんをされるようなひどいコインだと、世間の認識になります。

それによって投資家からはいつでも操作されるコインだと信用されなくなり、新規参入者も減り、コインの価値が失われると考えられています。同時に仮想通貨自体の信頼も失われます。


次に➁取引所が無くなると③インフレを仮想させる理由を記載します。

二重支払いを実行した場合、どちらも現金に戻す前提で話をしていますが、基本的に無から有を大量に生み出していることが問題になるからです。

通常、投資を行う際は現金を入れてからデータに変換されます。仮想通貨を持つと価格が変動するので仮想通貨の価格が保有している現金の数と同じではないですが、その差は小さいものだと思われます(何十倍になったら差は大きくなります)。

しかし、仮に51%攻撃によって100万円分の通貨が10回売却されて現金で出金されると、900万円は無から生まれた現金でこの世には元々存在しません。

こういうケースが起きた場合、現金の出所次第でどうなるかが変化すると考えています。次の2パターンが起きると想定しています(私自身もよく理解してないので、そういう可能性がある程度に認識してください)。

●取引所内(取引している銀行)から現金が出る場合

⇒取引所内のお金から現金が出る場合、億レベルの不正取引になると出金取引所の現金不足に陥る。最悪の場合破綻へ。

●中央銀行がお金を刷る

⇒紙幣の価値薄れ、インフレに向かう

どちらの場合にも仮想通貨界隈にメリットはありません。今の生活には影響は出ませんが仮想通貨はやっぱりクソだったなと世間は認識してより敬遠されるものになるでしょう。

なぜ51%攻撃が起きるのか?

ここから先は完全に私自身の考え(妄想)で、人の心理的な面とシステム的な面で考えていきます。

①心理的な面

51%が起こる理由は当然ながらデメリットよりも大金を得られるというメリットが勝るから行動に移すわけです。

もう少し具体的に掘り下げると次のような感じでしょうか。

メリット(大金を得る) > デメリット(捕まる・仮想通貨の信用を失う)

仮想通貨の発展が見たい方や逮捕されるのが嫌で逃げ切る自信がないという方は基本的にデメリットが勝つはずです。行う動機がありません。

しかし、人によっては仮想通貨の発展なんてどうでもよく、お金さえ稼げればなんでもよいという人の中に具体的に逃げ道を見つけた方は本気で一発を当てて逃げ切ろうと考えると思います。逃げ道さえ確定できればトレードで儲けるより容易でしょう。

匿名通貨が残っていることやダークウェブの存在は脅威だと思います。これを挫く仕組みの導入が仮想通貨界隈には急務だと思います。すぐに思いつくのは極端ですがマイナーや取引所の登録をする人を世界レベルでKYC義務化することと、匿名通貨の全撤廃あたりでしょうか。

話はそれますがある通貨が51%攻撃を受けたというニュースがありましたが、意外にも価格はさほど下落しませんでした。悲観は買いという投資家精神が悲しいことに51%攻撃を連続で仕掛けることをサポートしている状況にも感じられます。

➁システム的な面

●非中央集権(※1)は中央集権より罰が逃れやすいのでは?

非中央集権であることが51%攻撃をする動機をサポートしていると考えています。

なぜなら、


中央集権より不透明だからです(=責任の所在があいまい)

中央集権、つまり企業が不正取引をした場合、企業は必ず経営陣の意図があって動いているはずなので責任の所在は明らかです。会社は法的処罰が与えられ、経営陣は社会的にも罰を受けます。

しかし、非中央集権で集まったメンバーはどうでしょうか?不正取引をしたとしてばれたらすぐ解体し、どんな人がいたか、首謀者、人数、所在など不透明だと思います。(もし違ってたらすみません。。。)

わざわざ自分がこのグループのトップですと言う人も居なければ決める必要がないと考えられます。なぜならみんな自分のお金を稼ぐために集まっているからです。社会的に貢献している団体です、とアピールすることも目的ではありません。全て個々の利益を追求したがために形だけそうなっただけだと思います。もし追及したところで擦り付け合いが始まり、埒が明かないでしょう。

なので、51%攻撃が仕掛けられるほど大きなpoolになった時、または普通にマイニングするメリットが無くなった時、まあいっか、首謀者は俺ではないと気軽に51%攻撃がなされる可能性が高くなると考えています。

それを防ぐ第三者も存在しないところも欠点だと思われます。

中央集権だったら確実に防げるかといえばそうではありませんが、企業である以上、所在が分かるし国が監視する事は可能だと思います。国に見られているというプレッシャーがあるだけで不正取引をするデメリット感を与えられると考えます。

(※1)非中央集権とは、会社やある団体は運営しておらず、不特定多数の人がシステムを動かしているということです。BTCで言えば正しい取引の記録という作業を不特定多数の人が実施しており、作業の代価としてBTCをもらって成り立っています。現状はどういう考えをした人達かわからないマイナーたちが正しい取引を記録して通貨を得るという共通の目的のためにpool(コミュニティ)を形成していると考えています。

●マイニングする人にお金を稼ぐ以外の強烈なインセンティブがない

また、お金を稼ぐ以外の動機がマイニング自体という行為にないことも問題だと思っています。

趣味で何かスポーツをするにも、作品を作るのもは基本的に楽しいからそれをやろうと思ったと思います。初めからお金を稼ぐことがメインではなかったはずです。

どちらかというと楽しみに遊んでいたことがお金になったという方が多いのではないでしょうか。そういう風にして楽しませてもらって発展したものを壊してもいいや、無くなっても関係ないやと思う方は少ないと思います。

よってマイニングの方法がパソコンで自動的にできるものではなく、ゲームのような楽しみが追加される必要があるのではないかと思っています。

最後に

これまで結構否定的な意見を述べましたが非中央集権やトークンエコノミーの世界を作る事には賛同しています。ただし実現にはもっと多くの課題をクリアしなければなりません。さっさと解決してもらうためには問題が何なのかを明確にする事が一番早いと思います。少しでもそのお手伝いができればなと思います。

拙い文章でかつ見苦しい内容だったかと思います。

長々とお付き合いいただきありがとうございました!

●まとめ

●51%攻撃は不正取引で仮想通貨業界の信用を損ない、発展を妨げる

●心理的な面やシステムの面で51%攻撃をするデメリットを大きくさせる必要がある


公開日:2018/05/27
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