ウチにももう15歳になる愛犬がいますが、ずっと家族同様に過ごしています。
こうした子たちが、「ペット」というよりも「コンパニオンアニマル」と位置づけられるようになってきているのは、台湾も同じです。
今回は、そうした動物たちをめぐる環境に「トークンエコノミー」を導入していくことで、新たな経済を回していこうという動きが目に留まりましたので、少し記事にしておきたいと思います。
・PetTalkがPetTokenを発行⁉︎
・「ペットエコシステム」が注目されている⁉︎
・トークンエコノミーの意外な本命かも?
台湾の報道機関「中央通訊社」が2019年5月15日に掲載した記事によると、台湾のペット情報プラットフォーム「PetTalk(說寵物)」が、仮想通貨取引所の「BitAsset」と提携して、「PetToken(寵物通證)」を発行すると公表したそうです。
記事によると、PetTokenの発行によって、以下のようなサービスを実現していくということです。
ペットのニューリテールサービスアプリ以外に、ペットスマートメディアを発展させていく。そのために1,000名を超える獣医師やペットトリマーと提携し、実店舗、コミュニティ、ウェブサイト、アプリ、ネットショップなどのさまざまなアプローチとデータの連携を通じて、「AIスマート化ペット質問箱・商品購入システム」、「ペット119番:24時間動画リアルタイムインフォメーション」、「ペット専門イーラーニング」の三大会員制アプリサービスを推進する。
(除了寵物新零售服務應用外,也將發展寵物智媒體,預計將與超過1,000 位專業獸醫師及寵物美容師合作,透過實體、社群、官網、APP、電商等多元通路與數據互相串連,推出「AI智慧化寵物問題回饋與商品導購系統」、「寵物119 - 24小時影音即時諮詢」、「專家寵物照護影音教學」三大會員制的應用服務)
BitAssetによれば、こうした「ビッグデータとブロックチェーンの融合(結合大數據與區塊鏈)」によるサービス提供を通じて、ユーザーに「多様なサービス提供、決済方法の多様化、新たなエクスペリエンスなど(多元服務管道、多元支付、創新體驗等)」を感じてもらうようにしたいということです。
トークンによって多様なサービスを回していこうという、典型的な「トークンエコノミー」の実現を目指しているという印象がありますね。
記事には、台湾の動物行政を管轄する「行政院農業委員会(農委會)」のデータをもとに、2017年の台湾における犬・猫の数は250万匹を超えていて、ペット産業の規模は500億台湾元(約1,850億円)にのぼると指摘されています。
日本の場合、一般社団法人ペットフード協会が公表しているデータによると、犬・猫の数は約1,855万頭と言われています。
台湾の人口は日本の人口のだいたい6分の1ですので、そう考えると台湾でもほぼ同じような割合でペットが買われていることがうかがえます。
そうしたなかで、台湾では「「コンパニオンエコノミー」を拡大したペットエコシステム(「陪伴經濟」衍伸出的寵物生態系統)」に注目が集まっているようです。
ここで言われている「コンパニオン(陪伴)」というのは、いわゆる「コンパニオンアニマル」のことですね。
台湾でもペットを家族同様に可愛がる人が増えていて、今回の取り組みを公表したPetTalkは、そうした人々の情報交換プラットフォームを提供しています。
こうしたプラットフォームですでに構築されているコミュニティをより一層、拡張・活用していくために、今回のトークン発行となったようですね。
今回、PatTalkと提携した仮想通貨取引所のBitAssetについては、以下の記事に書き留めましたが、グローバルな事業展開を積極的に進めているようです。
今回のPetTokenの取り組みも、これから3年のうちに中国、日本、アメリカ、タイといった国々のマーケットへ進出していくことを目指しているそうです。
ペットからコンパニオンアニマルへといった世界的な動きに連動する形で、単なる「ペット産業」にとどまらない「ペットエコシステム」へのアップデートを、グローバルに展開していくことが考えられているようで、なんだかワクワクしますね!
今回取り上げた記事にも出てきますが、台湾では近年、ペットのことを「毛小孩」と表現することがあります。
「小孩」というのは「子ども」のことですから、毛がフサフサな子ども=ペット・コンパニオンアニマルということですね。
それだけ家族同然にペットと接する人々が増えてきているからこそ、ペット産業のアップデートの方法のひとつとして、今回のような「トークンエコノミー」的な取り組みが生み出されたのかな、と思っています。
ペットを家族のように位置づける人々が増えるということは、そこに付随する産業も多様化していきますね。
単なる食事やファッションなどのペット関連商品だけではなく、トリミングなどの美容系や、医療や保険といった分野も発展していくことが予想されます。
そうしたポテンシャルを考えると、ペットエコシステムの構築というのは、案外、トークンエコノミーの「成功例」になっていく可能性があるんじゃないかなと思います。
その先進的な取り組みと言える今回のPetToken…これからの展開を楽しみに、コツコツと動向を追いかけていきたいと思います!