(台北・士林のお寺。この周辺に夜市が広がっていますよ)
「ブロックチェーン元年(區塊鏈元年)」を迎えている台湾では、ブロックチェーンに関する技術やサービスがいろいろと開発されています。
そうした状況から、台湾で国際的なブロックチェーンに関するカンファレンスやイベントを開催する動きが生まれています。
2018年7月には台湾・台北で「2018 Asia Blockchain Summit(亞洲區塊鏈高峰會)」が開催されました。
今回は、2019年4月に世界的なブロックチェーン関連イベントが台北で開催されることが公表されましたので、予告編として少し書き留めておきたいと思います。
・台湾で「World Blockchain Summit」が開催!
・サミットの内容はどうなる?
・国際的にも台湾はフィールドとして注目されている?
台湾の報道機関である「中央通訊社」のニュースサイトに2018年11月28日に掲載された記事によると、2019年4月に台湾で「ワールドブロックチェーンサミット(世界區塊鏈高峰會、WBS)」が開催されることが公表されたそうです。
記事によれば、WBSは「世界最大のブロックチェーンサミット(全球最大區塊鏈高峰會)」と言われ、これまでにドバイ、シンガポール、モスクワ、フランクフルト、アムステルダムなど、10を超える都市で開催されてきたということです。
WBSの公式ウェブサイトにはイメージ動画が公開されていて、各都市での開催の様子がまとめられています。
今回の台北開催では、国際的なビジネスイベントをいろいろと主催しているTresconがシリコンバレーのNPO組織であるBlockchain Research Center(BCRC)と、台湾の新北市が提携する形で開催されるそうです。
Tresconは公式ウェブサイトによれば、「多様なクライアントベースのワイドなビジネスサービスを提供するグローバルなビジネスイベントおよびコンサルティング会社(a global business events and consulting firm that provides a wide range of business services to a diversified client base.)」ということで、多様なビジネスイベントを展開しているようですね。
また、BCRCは公式ウェブサイトによれば、「技術革新を通じて企業に力を与えることを目的としたNPO(a non-profit organization dedicated to empower businesses through technological innovations.)」と説明されていて、特にブロックチェーンに関する専門家が集まっているということです。
さらに、新北市は僕の記事でも書き留めましたように、「ブロックチェーン特区」の開設を目指しているように、ブロックチェーン産業の発展を積極的にサポートする姿勢を表明しています。
台湾のブロックチェーン関連産業の展開と、行政の積極的な受け入れ姿勢が国際的にイベントを展開している企業と結びつく形で実現に至ったことがうかがえますね。
台北のWBSにはすでに公式ウェブサイトが公開されていて、登壇者やアジェンダが公開されています。
登壇予定者としては…
・台湾の立法委員である許毓仁さん
・アメリカの「Consensys」のマネージングパートナーであるKAVITA GUPTAさん
・イギリスの「Ztudium」の創業者でCEOであるDINIS GUARDAさん
・シンガポールの「Marvelstone Group」の創業者であるJOE SEUNGHYUN CHOさん
の名前が挙がっています。
許毓仁さん以外はこれまでのサミットに登壇経験のあるブロックチェーン開発企業や投資会社のキーパーソンで、そこに台湾のキーパーソンである許毓仁さんが加わっているという感じですね。
(ちなみに、許毓仁さんについては以下の記事にまとめています。)
また、アジェンダも公開されています。
(ただ、ウェブサイトのトップには2019年4月25日・26日とスケジュールが書かれているのですが、アジェンダは2019年1月24日・25日となっています。日程については調査中ですが、さしあたって同じウェブサイトに掲載されていますので、以下、この点に留意して書き留めています)
1日目の「OPENING KEYNOTE」からいきなり、「Taiwan’s Blockchain Vision and Roadmap」となっていて、台湾におけるブロックチェーンの将来像が(おそらく許毓仁さんによって?)示されるようです。
そのほか、アジェンダに掲載されている順にトピックを挙げていくと…
スマートシティ、クレジットカードとの関係、取引所、スマートコントラクト、トークン化、デジタル資産、不動産との関係、仮想通貨、反マネロン、AI、DLT、スケーラビリティ、サプライチェーン、セキュリティトークン・ユーティリティトークン、ヘルスケア、クラウドファンディング、パブリックリレーション、DAO・ICO、アソシエーション・コンソーシアム、アクセラレーター、インキュベーター、マーケットプレイス、エネルギートレード
おおよそ、ブロックチェーンに関連するあらゆるトピックが網羅されているように感じます。
入っていないとすれば、トレーサビリティぐらいでしょうか…これも、どこかのトピックと合わせて議論されそうですね。
今のブロックチェーンの最先端に関わる議論が、それらに関わる人々の参加によって展開されることが予想されるのかな…と思うと、楽しみです!
WBSについては、今年10月にドバイで開催されたサミットについて、「CoinCampMedia」に日本語記事が掲載されていますが、ここにあるように、スタートアップと関連機関や人物を結びつけることを目的としているようです。
世界中の多くの地域からブロックチェーンに関するキーパーソンが集まるサミットの台湾開催によって、台湾の関連企業がこうした人々とストレートに繋がることが期待できます。
こうした場が台湾で開催されるということは、それだけ、台湾がブロックチェーンや仮想通貨に関連する産業が発展しつつあるということが世界の人々にも感じられているということなのかもしれません。
これから実際にどういう人々が登壇し、具体的にどのようなことが議論されるのかが公表されていくと思いますので、台湾の関連産業の動きも追いつつ、情報をコツコツと追いかけていきたいと思います!