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ブロックチェーンの技術開発・サービス開発をおこなうスタートアップにとって、投資家からの投資は欠かすことができませんね。
最近、BinanceのBinance Labsがブロックチェーン・仮想通貨関連の企業への投資を開始したことが話題になっています。
すでにいくつかのスタートアップがラボからの投資を受けていますが、今回は僕が過去に記事として取り上げたスタートアップがラボからの投資を受けたというニュースを目にしたので、最近のスタートアップの事業展開と合わせて、書き留めておきたいと思います。
・Binance LabsがContentosへの投資を決定
・Contentosってどんなスタートアップ?
・多くの投資を集めるContentosは成功するか?
台湾の大手紙「自由時報」が公式ニュースサイトに2018年10月1日に掲載した記事によると、ブロックチェーンを活用した「デジタルコンテンツエコシステム」の構築を目指している「Contentos」が、「Binance Labs」から「戰略投資(戦略的投資)」を受けることになったということです。
このニュースについては、Binance Labsの公式Twitterでも、2018年9月29日に以下のような形でツイートされています。
Contentosも公式ツイッターでツイートすると同時に、Mediumで今回の投資の趣旨と方向性について記事にしています。
このMediumの記事のなかで、Contentosは今回の戦略的投資が、「The partnership with COS marks a significant milestone in Binance Labs’ focus on the global public blockchain.(Contentosとのパートナーシップは、Binance Labsのグローバルパブリックブロックチェーンに重点を置いている)」と説明しています。
この点については、Binance Labsが上に挙げた公式ウェブサイトに、投資対象として以下のような項目を挙げていることと関わっています。
Public Blockchains
Decentralized Exchanges (DEX)
Wallets & Payment
Stable Digital Currencies
ATS/Security Token Platforms
dApps
今回のContentosへの投資は、冒頭に挙がっている「Public Blockchains」を開発するスタートアップとしておこなわれるものだということのようですね。
ちなみに、Binance Labsによる投資については「ICO POST」による以下の日本語記事で詳細を知ることができます。
今回、投資対象となったContentosについては、以下の記事に少し書き留めました。
公式ウェブサイトによれば、Contentosは「利益分配不平均(利益分配の不均衡)」、「流量分發不透明(流通経路の不透明さ)」、「智慧產權保護不彰(知的財産権の保護の不徹底)」、「不完善的信譽體系(不完全な信用システム)」という4つの課題を、ブロックチェーンの活用によって解決するということを目指しているようです。
特に、デジタルコンテンツの保護と透明性の確保、およびクリエイターへの報酬確保がメインになっているそうです。
具体的なサービスとしては、上の記事で少し触れましたが、Contentosはすでに、中国の「獵豹移動(チーターモバイル)」傘下のライブ配信サービス「LiveMe」や短時間動画サービス「Cheez」と提携して、コンテンツ保護などを実施しているようです。
また、上に挙げた「自由時報」の記事には、以下のようなサービスの試験運用を開始したと報じられています。
COS已開始嘗試落地應用,透過自身研發的區塊鏈分布式記帳與智能合約技術推出「音樂人計畫」,發布不到兩週已有超過百位音樂人加入。
(Contentosはすでに、自ら開発したブロックチェーン分散型台帳とスマートコントラクトを通じた「アーティストプラン」のアプリの試験運用を開始し、2週間足らずで100名を超えるアーティストが加入したことを明らかにした)
Contentosの公式ウェブサイトにも「アーティストプラン」の専用ページが開設されていて、「The Decentralized Global Music Ecosystem」というキャッチコピーとともに、多くの「アーティスト」の顔写真と「Cheez」のIDが掲載されています。
そして、登録アーティストによって創作されたミュージックコンテンツを、「Contentos ecosystem combines music with different content types, such as video, live-stream, game and picture.(Contentosのエコシステムは音楽を、動画、ライブストリーム、ゲーム、画像といったことなるコンテンツタイプのものと組み合わせる)」としています。
多様なWebサービス・SNSを同一のプラットフォーム上に統合することにより、そこで創作されるコンテンツをメディアミックス的に展開し、コンテンツ保護とクリエイターへの適切な報酬確保を目指していくというビジョンがうかがえます。
そして、Contentosのホワイトペーパーによれば、こうしたプラットフォームを以下のような形で「公有鏈(パブリックチェーン)」上に構築することを目指しているということです。
Contentos 希望通過 Contentos 公有鏈為個⼈、團隊、企業構建一個去中心化的數位內容社群,為開發者提供開放接⼝,以便為 Contentos 公有鏈開發應用,共同打造出立體的⽣態系統。
(ContentosはContentosのパブリックチェーンを通じて、個人、団体、企業が非中央集権化されたデジタルコンテンツコミュニティを構築し、開発者に、Contentosのパブリックチェーンによって共同で立体的なエコシステムを作り出すためのアプリを開発するためのオープンインターフェースを提供することを望んでいる)
こうしたところが、今回のBinance Labsによる投資と結びついたということですね。
実は、Contentosは今回のBinance Labsからの投資を含め、多くの有名企業からの投資を集めています。
上に挙げた公式ウェブサイトには、Binance Labsを含め17の企業が「投資者」として挙げられていますが、そのなかには「Ontology Network」や「NEO」の名前も挙がっています。
以前に書いた記事は2018年5月に書き留めたものですが、その時からわずか4か月ほどで事業が着々と進んでいる印象があります。
多くの投資を集めているContentosの取り組みが発展するかどうか、成功するかどうかということは、このプラットフォームで生み出されるデジタルコンテンツがグローバルにポピュラーなものとして広がっていくかどうかにかかっているように感じます。
これからContentosの名前をデジタルコンテンツに関するプラットフォームとして、いろいろなところで名前を聴くことがあるかどうか…
これからもコツコツと動向を追いかけていきたいと思います!