仮想通貨のマーケットがやや下火になっているなか、あまり注目が集まっていませんが、世界的にブロックチェーンスマホの開発が進んでいますね。
「世界初のブロックチェーンスマホ」と言われている「Sirin Labs」の「FINNEY」は、以下の「ケータイwatch」などでも報じられていますように、日本での発売を始めていますね。
FINNEYの発売は2018年11月末でしたが、それから間もなく、2018年12月には台湾のHTCがブロックチェーンスマホ「EXODUS1」を、仮想通貨(BTC、ETH、LTC)払い限定で販売しました。
この動きについては、以下の記事に書き留めました。
このEXODUS1がフィアットでも購入可能になったというニュースが目に留まりましたので、少し書き留めておきたいと思います。
・EXODUS1が台湾元などで購入可能に!
・ブラウザはOperaを搭載⁉︎
・BNBも…HTCの販売戦略は結実するか?
台湾の報道機関である「中央通訊社」が2019年2月26日に報じた記事によると、HTCはブロックチェーンスマホ「EXODUS1」を、同年3月1日から21,900台湾元で販売することを公表したということです。
記事では、以下のように報じられています。
3月から、消費者は21,900台湾元、および対応する各法定通貨での為替価格で世界の他のマーケットで新たなブロックチェーンスマホHTC EXODUS1を買うことができる。
(3月起,消費者可以新台幣2萬1900元及對應各法定貨幣匯率的價格於全球其他市場購買全新的區塊鏈技術手機HTC EXODUS 1。)
実際に、EXODUS1の特設サイトに設けられているショップでは、台湾元の場合は21,900元、米ドルでは699ドルで購入可能、ステータスは2019年3月3日時点で「In Stock(有庫存、在庫あり)」となっています。
この価格設定、冒頭に挙げたSirin LabsのFINNEYが999米ドルで販売されていることを思うと、「破格の価格設定」であるように感じます。
ちなみに、僕の過去記事にも書きましたが、EXODUS1のベースとなっているのは、現在のHTCスマホのフラッグシップモデルである「U12+」なのですが、このモデル、日本のHTCの公式ショップでは89,800円(税抜)となっています。
今のレートで計算すると、EXODUS1のほうが1万円近く安く購入できる可能性があるわけで、俄然、購入意欲が湧いてきますね!
ただ、今のところ、特設サイトに日本のページは準備されておらず、日本のHTC公式ショップでも取り扱いはないようです。
中央通訊社の記事によれば台湾のHTC直売店でも販売されるということですから、台湾に行った時に見に行かないと…
日本での購入はもう少し待たないといけないようですが、HTCのスマホは日本でも受け入れられていますので、時期が来れば販売されるかもしれませんね。
また、今回は法定通貨での販売開始と同時に、EXODUS1に搭載されたブラウザも話題になっています。
それが、「Opera」のEXODUS1への搭載です!
中央通訊社の記事では、以下のように報じられています。
Operaは世界で初めての暗号技術を取り入れたブラウザであり、HTC EXODUSとOperaが提携し、ブロックチェーン技術を便利に使用し、安全性を高め、業界の基準を設定するために、DAppsやそのサービスを含むブロックチェーン技術へとより多くの人々が安心して参加していくことができるようにしていくと、HTCは表明した。
(Opera為全球第一款加密技術相容的瀏覽器,宏達電表示,HTC EXODUS 與 Opera 將攜手合作,針對區塊鏈技術的便捷使用與安全推廣,並設下業界標準,鼓勵更多人放心探索區塊鏈技術,包括去中心化應用程式與服務。)
Operaは、以下の公式ブログなどでも公表されていますように、仮想通貨ウォレットを搭載したブラウザとして知られていますね。
EXODUS1の大きなセールスポイントである仮想通貨ウォレットの搭載という機能を活かすために、Operaとの提携・導入が実現されたといえますね。
ちなみに、上に挙げた僕の過去記事ではWebブラウザとして、ブロックチェーンブラウザとして知られている「Brave」の搭載が報じられていましたが、今回はBraveについては特に触れられていません。
このあたりは、BraveではなくOperaが導入されたのか、BraveとOperaの両方がプリインストールされているのかどうか、実機レビューなどが出てこないとわかりません。
ただ、EXODUS1の特設サイトには、「Partners」として、Operaの名前が挙げられていると同時に、「Blockfolio」、「Nodle」、「numbers」というパートナーの名前が挙がっています。
それぞれ、Blockfolioは世界的に多くのユーザーを獲得している仮想通貨ポートフォリオ管理アプリ、NodleはIoT機器とスマホを結ぶ管理アプリ、numbersはAIを活用したヘルスケア管理アプリということで、ブロックチェーンスマホとしての強みを活かすようなアプリとなっています。
こうしたアプリ以外にも、HTC EXODUSの公式ツイッターによれば、「Etheremon」や「Decentraland」と行ったDAppsゲームもプリインストールされているということです。
以下の記事にも書きましたが、EXODUS1はCryptoKittiesがプリインストールされていることがわかっていますので、多くのDAppsや関連アプリが初めから使えるようになっているようです。
上に挙げた中央通訊社の記事にも書いてありましたように、ブロックチェーンの世界への参加を促すような仕掛けが、こうしたところにも施されていることがうかがえますね!
もうひとつ、中央通訊社の記事によれば、法定通貨による購入以外にも、世界的な仮想通貨取引所であるBinanceが発行する独自トークン「BNB」でも購入できるようにしていくそうです。
HTCはまず、EXODUS1をBTC、ETH、LTCといった仮想通過払いでのみ販売するという方針を打ち出していて、このBNBによる購入というのも、ブロックチェーン・仮想通貨に深く関心を持ち、関わりもすでに持っているイノベーターからアーリーアダプター層に訴求する戦略の一環であるように感じます。
それと同時に、HTCは今回、法定通貨での購入を実現することで、より広い層への普及も目指しているということがわかります。
台湾も日本と同様に、仮想通貨に対するイメージというのは決して芳しいものではありませんが、そうした状況を打開することがこのEXODUS1には期待されているように感じます。
台湾で多くのユーザーを持ち、根強い人気のあるHTCがブロックチェーンスマホの一般販売に踏み出したことは、こうした意味でインパクトが大きいように思います。
果たして、こうした戦略が実を結ぶのかどうか…
これからの動きをコツコツと追いかけていきたいと思います!