Twitterで#Amazonプライム解約運動 というハッシュタグがトレンド入りした.
AmazonプライムのCMに三浦瑠麗氏が起用されたことが反感を呼び,Amazonプライムの解約を呼びかけているようだ.
その件に対し,メンタリストDaiGo氏が,Twitterで以下のように批判していた.
そもそも、
サービス内容ではなく、CM起用タレントで購入判断をしている時点で終わっている。
自分の人生もそうやって他人頼りで、自分の頭で考えないから何やっても中途半端なんだよ。
CMに向ける批判的思考を、少しは自分の人生に向けてみたらどうですか?
#Amazonプライム解約運動— メンタリストDaiGo (@Mentalist_DaiGo) 2020年8月16日
「サービス内容ではなく,CM起用タレントで購入判断をしている時点で終わっている」という彼の批判は最もである.しかし,「CMに起用されたタレントで購入判断をする時点で終わっている」ならば,CMにわざわざ著名なタレントを起用する必要はない.好きなタレントがCMに起用されているから,という理由でその商品やサービスを購入するのはごく自然なことである.
ロルフ・ドベリ著の「Think Smart」という本がある.
その中で,「伝播バイアス」という人間の思考のクセが紹介されている.
「人とモノのつながり」は、たとえそのつながりがずっと前に消滅していても、あるいは写真のように非物質的なものにすぎなくても、軽視できるものではない。この作用は「伝播バイアス」と呼ばれている。
例えば,かつてヒトラーが着ていたセーターを着たいと思うだろうか?.おそらく,躊躇う人が多いだろう.
では,自分に近しい人(例えば,親,兄弟,友達など)の写真に向かってダーツの矢を投げるよう促されたとき,躊躇せず矢を投げることができるだろうか?おそらくそうはいかないだろう.
実際は,セーターとヒトラーの間には今や何の関係もないし,母親の写真が傷ついたところで母親が傷つくわけでもない.しかし,我々の思考はそう簡単に割り切れるものではない.
同様に,商品やサービスとそのCMに起用されるタレントとの繋がりは,軽視できないと思うし,それらを度外視して商品の価値やサービス内容だけで購入判断できるほど人の心は簡単ではないと思う.